障害者アートとコラボ 富山県の能作、17日発売

障害者アートとコラボレーションした製品とキーホルダーを紹介する能作社長

 富山県高岡市の鋳物メーカー・能作は17日から、障害のある人たちが手がけた絵やデザインをあしらったコラボレーション製品とキーホルダー合わせて13種類を販売する。障害者アートの魅力を広く紹介しようと企画した。コラボ製品は1カ月限定で受注生産し、期間中は高岡市オフィスパークの本社で関連の企画展も開く。 

 障害のある作家が手がけた芸術作品は、既存の枠組みにとらわれない自由な表現を指す「アール・ブリュット」の一種として注目を集めている。県内でも多機能型事業所「花椿かがやき」(南砺市)の利用者が描いた絵柄をデザイン化した「とやまふぉんと」がインターネットで公開されるなど活動が活発化している。

 今年に入って能作の能作千春社長(37)が「とやまふぉんと」を知り企画がスタート。知的障害のある作家の創作拠点である障害者アート支援工房ココペリ(高岡市)とも協力し、能作のスタッフがコラボ企画に活用する絵柄を選んだ。

 全13種類のうちコラボ製品は8種類で、手で曲げて、かご状に変形させられる「KAGOスクエア」や花器「そろり」などに、ココペリの作家の絵をプリントした。キーホルダーは5種類あり、「とやまふぉんと」の絵柄を入れた。

 企画に関わったココペリの米田昌功代表(57)は「老若男女いろんな人に手に取っていただき、作品を見てほっこりしてもらいたい」と語る。

 コラボ製品は17日から1カ月限定で受注生産し、キーホルダーは本社で継続的に販売する。売り上げの一部は作家の支援に充てる。企画展は製品と原画を並べ、障害者アートに触れてもらう機会にしたい考えだ。

 能作社長は「能作の製品には技術や歴史が、絵には作家のこだわりがこもっている。それが融合して、背景のある濃い作品に仕上がったと思う」と話した。

ココペリの作家の絵を取り入れたコラボ製品の一部

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