『男はつらいよ』第一作を思い出します【駅ぶら05】京成金町線295

※2023年3月撮影

トップ画像は帝釈天題経寺北側の道路、正面に江戸川の土手が見えます。

2021年(令和3年)1月、220年という歴史に幕をおろし閉店した川魚料理川甚。新館が残っています。寛政年間(1790年)に創業した老舗でした。

※2023年3月撮影

映画『男はつらいよ』の第一作(1969年公開)で寅さんの妹さくらと博の結婚式が行われた川甚本館は、1964年(昭和39年)最初の東京オリンピックの年に建てられた4階建てでした。既に解体撤去されていますが、幸い2006年(平成18年)正月に訪れた時の写真がありました。この時はまだ新館はありませんでした。

※2006年1月撮影

幸田露伴、夏目漱石など文豪たちからも愛され、江戸川の描写は土手ではなく川甚の座敷からの眺めが描かれてきました。経営者のご家族に知人がいたので筆者も何度か川甚の鯉や鰻に舌鼓を打ち、窓から江戸川を眺めました。

川甚の跡地は高層マンションなどで景観が損なわれない様に葛飾区が購入し柴又の歴史などを展示する公共施設として整備すると発表されています。

江戸川の土手には綺麗な芝桜が咲いていました。

※2023年3月撮影

映画『男はつらいよ』の第一作、トップで寅さんは江戸川の土手に現れました。作中で御前様のお嬢様に失恋した寅さんが独り川面を眺めた場面も思い出します。

※2023年3月撮影

個人的にはその後、恋にやぶれ柴又から旅に出る寅さんを追ってきた舎弟に「堅気になれ」と郷里までの切符を渡し、独りで泣きながらラーメンをすすっていた寅さんと上野駅の様子が懐かしい。

※2023年3月撮影

筆者が映画『男はつらいよ』を何度も観てしまうのは、寅さんの魅力もありますが、懐かしい昭和の風景が映像で記録されているからです。

足下に蒲公英(タンポポ)が咲いています。春ですね。

※2023年3月撮影

土手から遠くスカイツリーも見えました。

※2023年3月撮影

見事な桜並木があります。曇天が残念です。

※2023年3月撮影

案内図があります。帝釈天から530m歩いてきました。柴又駅まで670m。

※2023年3月撮影

しばし花見をしてしまいました。「寅さん記念館」の案内です。

※2023年3月撮影

土手の下に「寅さん記念館」「山田洋次ミュージアム」がありました。

※2023年3月撮影

山田洋次さんは、言うまでもありませんが、渥美清主演のテレビドラマ・映画『男はつらいよ』の原作者で監督。ただし監督が輪番制だった初期の映画数本は脚本だけのものがあります。

筆者も『男はつらいよ』の全作品はもとより『幸福の黄色いハンカチ』(1977)『たそがれ清兵衛』(2002)など好きな映画がたくさんあります。『家族はつらいよ』シリーズ三作(2016~2018)も面白かった。(笑)

(写真・文/住田至朗)

※駅構内などは京成電鉄さんの許可をいただいて撮影しています。

※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。

※参照資料:『京成電鉄85年の歩み』(1996年/総務部編)『京成電鉄100年の歩み』(2009年/経営統括部編)他

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