梅最盛期も3割安

出荷最盛期の梅が、軟調相場となっている。作柄良好で潤沢な出回りとなる一方、小売りの販売が伸び悩み、1キロ価格は平年の3割安。主産地は、梅ジュースの試飲など昨年まで制限があった販促宣伝を再開し、家庭消費を喚起する。

梅は例年、6月上・中旬にピークを迎える。中旬(16日まで)の日農平均価格(各地区大手7卸のデータ)は1キロ353円と、平年(過去5年平均)比30%安となった。

7卸取引量は、小梅主体の5月下旬から平年よりも21%多く、青梅主体の6月上旬も同15%増。JA和歌山県農は主力「南高」について「着果、肥大とも良好で生育前進し、出荷ペースは平年より3、4日早い」と話す。

一方で需要は伸び悩む。青果卸は「コロナ下で伸びていた漬け込み消費が落ち着き、近年の価格上昇もあり小売りの仕入れが鈍い」と話す。和歌山県のJA紀州は、梅ジュースの作り方講習会や試飲を展開。「販促宣伝を再開し、消費につなげたい」考えだ。

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