ベルト未着用で警告音 井関農機、トラクターに初搭載

「シートベルトリマインダー」を搭載した井関農機の新型トラクターの運転席(茨城県つくばみらい市で)

シートベルトを着用しないで運転すると警告音が出る装置を搭載したトラクターが今月、世界で初めて発売された。「シートベルトリマインダー」と呼ばれる装置で井関農機(松山市)が新型トラクターに搭載。安全確保へ農水省は、2025年4月以降に発売される新機種には同装置が標準装備となる方向で検討しており、それを見越して搭載した。

同装置は、乗用車などでは道路運送車両法で装備が義務化されている。農機では、農水省の農作業安全検討会が21年度から議論を進める。25年4月以降に発売される新たな機種を対象に、農研機構によるトラクター安全検査の際に、満たすべき項目の一つに同装置を位置付ける方向だ。 メーター部中央の画面に表示された「シートベルトを締めてください」のメッセージ 搭載したのは同社の中型トラクター「BFREX(ビレックス)」シリーズ。シートベルトを着用しないと警告ランプが点灯し、運転を続けるとメーター部中央の画面に「シートベルトを締めてください」との表示が出る。農機ではシートベルト着用の法的義務はないが、同社は「着用した方が安全なのは間違いない。業界に先駆けて導入した」という。

農機の事故は転倒・転落などに加え、公道で車に追突されるケースもある。日本農業機械化協会による22年度の調査では、トラクター作業時のシートベルト着用率は21%。農水省は「事故時の被害を減らすためにシートベルト着用は必須」(技術普及課)とする。

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