渡辺長男と朝倉文夫の歩み振り返る 豊後大野市で「兄弟それぞれの道」展【大分県】

渡辺長男が作った乃木大将像=豊後大野市朝地町池田の朝倉文夫記念館
金属類回収令で供出される前に石こうで型取りして複製された渡辺長男作の広瀬中佐像
朝倉文夫の「狼」(右)なども展示

 【豊後大野】豊後大野市朝地町池田の朝倉文夫記念館で、町出身の彫刻家朝倉文夫(1883~1964年)の生誕140周年を記念したコーナー展「兄弟それぞれの道」が開かれている。文夫と実兄の彫刻家渡辺長男(おさお)(1874~1952年)の歩みを、作品や写真パネルなどを通じて紹介している。8月20日まで。

 2人は渡辺要蔵とキミの長男と三男。渡辺長男は大分中卒業後、文夫は竹田中を中退していずれも東京美術学校(現東京芸術大)に進んだ。共に彫塑の分野で在学中から注目を集めたという。

 長男は麒麟(きりん)像、明治天皇御尊像、乃木大将像などを次々と手がける銅像作家、文夫は官展の中心作家として活躍。日本を代表する芸術家として時代をリードした。

 会場には2人の作品15点、絵はがきなどの資料20点、写真パネル18点を展示。金属類回収令で供出される前に石こうで型取りして複製された長男作の広瀬中佐像(胸像)なども並ぶ。

 同館は「徹底した写実主義の長男、見事に理想化した文夫という2人の作品の違いも見てほしい」と話している。

 観覧料は大人500円、小中高生200円。開館は午前10~午後5時(月曜休館)。問い合わせは朝倉文夫記念館(0974.72.1300)。

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