山田安奈 メイキングカットで見せるとびきりの笑顔 起用の理由はたたずまいと目の奥の輝き 「山女」

6月30日より劇場公開される、第35回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品された、「アイヌモシリ」などの福永壮志監督の映画「山女」から、主演の山田杏奈のメイキングカットが公開された。メイキングカットでは、福永監督から演出指導を受ける真摯(しんし)な表情や、監督と談笑する際のとびきりの笑顔を見せる姿が収められている。

山田を起用した理由について福永監督は、「たたずまいです。どこか野生的で、この映画の世界観の中で地に足をつけて生きられる存在感を持っていると思いました」「もう一つは目の奥の輝きです。どんなにつらい経験をしても消えない目の輝きには、何が起きても動じないような芯の強さが感じられて、映画の観客にとっての希望にもなると思いました」と話し、山田のたたずまいとまなざしに、理不尽な逆境をも運命として受け入れ、自分の生き方に目覚めていく主人公・凛の姿を見いだしたことを語っている。

山田は自身が演じた凛について、「私が凛に感じたのは、諦めの精神みたいなものです。どん底にいるから、そもそも人間に期待をしていない。その感覚は現代の若い世代にもつながる気がします」と言及。「私も“悟り世代”と呼ばれる世代で、わりとそういうところがあるんですよ。何かを諦めているからこその強さもあると思うんです」と、凛との共通点を明かしている。

「山女」は、凛の生きざまを通して、人間のもろさと自然への畏敬の念、そして現代にも通じる貧困や差別など社会問題を映し出した作品。柳田國男の「遠野物語」から着想を得たオリジナルストーリーで、「リベリアの白い血」「アイヌモシリ」で民族やルーツにフォーカスを当ててきた福永壮志が監督・脚本を務めた。共同脚本に、NHK連続テレビ小説「らんまん」の長田育恵が名を連ねる。主人公の凛を演じるのは、「ひらいて」「彼女が好きなものは」などの山田杏奈。伝説の存在として村人たちから恐れられる“山男”を森山未來が、生活に苦悩する凛の父親・伊兵衛を永瀬正敏が演じる。

【作品情報】
山女
2023年6月30日(金)ユーロスペース、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:アニモプロデュース
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