海なし県育ち「安全」なサバ 神川の温泉施設で養殖、全滅乗り越え初出荷 17、18日にイベントも

埼玉育ちのサバを取り扱う魚耕の店舗開発部長兼営業部部長の宮崎雅幹さん(左)と温泉サバ陸上養殖場責任者の鎌田奈津実さん=15日、熊谷市新堀新田のマミーマート籠原店内の魚耕

 埼玉県神川町のおふろcafé 白寿の湯敷地内「温泉サバ陸上養殖場」で育ったサバ4尾が15日に初出荷され、マミーマート籠原店(熊谷市)魚耕の店頭で刺し身とすしとして店頭に並んだ。

 養殖場は、2021年10月にオープン。サバの陸上養殖の事例は国内でもあまり例はなく、一度サバが全滅してしまったこともあったが、試行錯誤を繰り返しながら昨年4月に再始動。同12月には、白寿の湯で、成長したサバの試食会も実施していた。

 初出荷を迎え、白寿の湯支配人で養殖場の責任者でもある温泉道場の鎌田奈津実さんは「初出荷を迎え、皆さんの元にサバをお届けできたことがうれしい」と胸をなでおろすも、「まだまだ出荷量は少ないので、今後も養殖技術をあげていけたら」と力を込める。

 陸上養殖で育ったサバは寄生虫アニサキスの寄生の心配がなく、安全にサバを生で食べることができる。「2年前から安心して生食で食べることができるサバに注目をしていた。(出荷されたサバは)脂がのっていて鮮度もいい」と魚耕の店舗開発部長兼営業部部長の宮崎雅幹さん。

 初出荷当日に厨房でさばかれた温泉サバは、「生鯖握り」と「生さばの刺身」として店頭に並んだ。今後も出荷状況によって不定期で、マミーマート籠原店内の魚耕で店頭に並ぶという。

 白寿の湯では17、18日に出荷記念イベントを実施。17日にはセレモニーイベントや温泉サバふるまいじゃんけん大会(数量限定)、18日には38食限定のサバクイズ大会を予定している。

店頭に並ぶ生鯖握り

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