桂川有人は泥臭く予選通過 米下部ツアーの「経験が生きた」

1番でバーディをとって声援に応えた桂川有人(撮影/中野義昌)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 2日目(16日)◇ロサンゼルスCC(カリフォルニア州)◇7423yd(パー70)

桂川有人は予選ラウンドを通算1オーバーで回り、30位タイで予選を通過した。「71」で回ったこの日は、上がりの難しい9番(パー3)でパーパットを沈めると、“やり切った”表情でクラブハウスに上がってきた。

今季から挑戦している米下部コーンフェリーツアーでは9戦で7回の予選落ちを喫した。それがPGAツアー、しかもメジャーで堂々の予選通過だから、喜びもひとしおだろう。

最終9番。バーディパットのラインを読む(撮影/中野義昌)

「ことしに入ってずっとアメリカでやっているのが生きているんじゃないかなと思います」。ホールアウト後、力強くそう言った桂川。「コーンフェリーで、ギリギリの予選落ちが続いて、耐えるゴルフというか、落とさないゴルフをずっとやり続けている。それがきょうできたんじゃないかなと思います」。重ねてきた苦い経験が、最高峰の舞台で生きたわけだ。

自ら挙げたハイライトは、1オーバーで迎えた後半6番のバーディパット。予選通過ラインは2オーバーで推移していた。「カットラインも気になっていて、その先の7番(パー3)もピンまで270ydで“ボギー計算”でした。9番(パー3)も右ピンで難しかったので、ボギー計算。6番は絶対にバーディを獲りたかった」と、3.5mの横からのフックラインをねじ込み、しぶとさをみせた。

フィニッシュが崩れてもしぶとく(撮影/中野義昌)

目標としていた予選通過は果たした。「全米オープン」の成績はコーンフェリーツアーのランキングにポイントが加算されるため、「できるだけ上位に行けるように頑張りたい」と週末に向けて気を引き締める。

「でも、あしたから気持ちよく回りたいんですよね。予選通過するために小細工しながら変なショットだったり、泥臭くやっていたんですが、できればもうちょっとキレイなゴルフがしたい。しっかりフィニッシュを決めたり、パットもきれいにストロークしたりしたいです。そうだ、あと、ことしは赤字なので稼がないと(笑)」。決勝ラウンド進出を決めたら、いろいろ欲が出てきた。(カリフォルニア州ロサンゼルス/服部謙二郎)

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