あなた会社や所属する団体は大丈夫?ヤバい集団の3つの特徴とは?【社会心理学】

3つの兆候がある組織は要注意!

個人だと正しい判断ができるのに、集団で協議すると間違った判断を下してしまうことがあります。これは「集団的浅慮」(グループシンク)と呼ばれ、アメリカの心理学者ジャニスによって提唱されました。

ジャニスは、アメリカ政府をひとつの集団とみなし、彼らによる過去の失敗の歴史(真珠湾攻撃、朝鮮戦争、ベトナム戦争、ピッグス湾事件、ウォーターゲート事件など)を調査。さまざまな記録から大統領とそのアドバイザーたちが、どのような経緯で誤った政策決定に至ったのかを分析し、集団的浅慮の兆候などを系統化しました。

ジャニスによると、集団的浅慮はメンバーの結束力が強く、反対意見の出にくい閉鎖的な集団に発生しやすいといいます。また、集団的浅慮が起きる兆候として、自分たちは大丈夫という無根拠な過信、外部からの忠告の軽視、自分たちにとって不都合な情報や反対意見の遮断といったことを挙げ、これらを改善しなかった場合には意思決定のプロセスにおいて、「他の案を充分に検討しない」「その案が抱えるリスクやコストが検討されない」「非常事態での対応策を考えない」といった問題が起きるとしています。

ジャニスは過去にアメリカ政府が行った政策における意思決定のプロセスを分析しましたが、彼の指摘は民間企業にも通じています。

たとえば、工場などで以前からその危険性や問題が指摘されていたにも関わらず、組織がこれを軽視した結果、重大な事故を引き起こしてしまったというのも、集団的浅慮の代表的な一例といえるでしょう。

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

「社会心理学」は、心理学の中でも重要かつ人気のジャンル。個人同士の協力、競争、攻撃、援助など「他者との関係」、そして集団、組織など個人を取り巻く「社会との関係」をテーマとする「社会心理学」を、わかりやすく、かつ堅苦しくならないように図解・イラストを用いて紹介する。「社会現象と心理学」、「職場における心理学」「社会の在り方と心理学」など、現代日本において興味深く読めるような身近なテーマを立てて、さらにこれまで行われた心理実験と結果など、「心理学」全般の内容を誌面に取り入れて解説する。会社、学校、家庭、友人ーー集団や社会の中の個や対人関係の本質、行動原理を社会心理学から読み解く1冊!

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