石川遼は「悔しい」予選通過 全米OP初の“日本勢4人全員”決勝進出

ウェッジショットをミスした(撮影/中野義昌)

◇メジャー第3戦◇全米オープン 2日目(16日)◇ロサンゼルスCC(カリフォルニア州)◇7423yd(パー70)

「正直、悔しい。悔しくて、悔しすぎる」。カットライン上となる2オーバーで終えた石川遼はアテストを終えるなり、大舞台にピークを持ってこられなかった現状にうなだれた。

初日を1アンダー25位で滑り出し、この日は3バーディ、4ボギー1ダブルボギーの「73」。「いまの状態だとどこにボールが飛ぶか分からない感じで。でも、パーで終えないと予選通過が出来ないのは分かっていた」。ボギーをたたけば予選落ちという“綱渡り”の最終9番パー3はティショットをピン右8mに乗せ、2パットで何とかパーをセーブした。「状態が良ければもっとこう打てるのに…」と“タラレバ”が口をつく。

ロングゲームではフェアウェイキープ率は初日の77%(10/13)を下回る62%(8/13)。ショートゲームもさえない。2番では約80ydのショットを58度のウェッジでトップさせた。メジャーのコースに立ち向かうには、十分と言えない出来だった。

「コースに入ってからですね。右のミスは良くないホールが多くて、ティショットを捕まえに行こうとしてスイングが悪くなって。今年で一番悪い状態。ボロボロです。仕方がないことだけど、今週の調子、状態も実力だと思うし。修正出来たらいいなと思う反面、すぐに劇的に変えるのはどうかなとも思うので焦らずにいきたい」。全米オープンで3年ぶりに予選通過を決めても、景気のいい言葉は出てこなかった。

予選通過が濃厚となり、ホールアウト時は安どの表情に(撮影/中野義昌)

しかし、だ。フィールドに156人が集う中、日本勢は自分を含めた4人全員が予選を通過した。全米オープンでは“史上最多タイ”で、4人の「出場全員通過」は“史上最多”の出来事だ。日本ゴルフ界に歓迎すべき流れの中、残り2日はもっといい内容で回りたい。「この悔しさを、あした以降にぶつけていきたい」と誓った。

<全米オープンの日本勢最多予選通過>
全米オープンの「日本勢4人予選通過」は、10年大会(ペブルビーチGL)の石川遼、藤田寛之、池田勇太、谷口徹(出場6人)に並ぶ最多。また「出場全員通過」の人数では、1987年大会(オリンピックC)の3人(青木功、尾崎将司、中嶋常幸)を上回った。なおメジャー全体の「日本勢最多予選通過」は5人。「全英オープン」で3度(2002年、1994年、1979年)ある。

4日間プレーできる喜びを悔しさが上回った(撮影/中野義昌)
「ボロボロ」でスコアメークが大変な一日(撮影/中野義昌)

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