猫も『芸』はできる!?覚えてもらうための4つのコツとは

猫も『芸』はできる!?

2000年頃にロシアの猫サーカス団が来日して、話題になったことがあります。テレビで猫たちのパフォーマンスを見て、こんなことまで猫に教えられるのかと驚かれた猫好きも多かったのではないでしょうか。

猫の知能は人の2才児相当だと言われており、犬と比べても引けを取りません。

嫌がる猫に無理やり芸を教えることは問題ですが、飼い主さんと一緒に楽しみながら芸を身につけ、普段のお手入れやしつけなどにつながるのであれば、それは良いことだともいえるでしょう。

猫に芸を覚えてもらうためのコツ

今回は、ごく簡単な芸を愛猫に覚えてもらうためのコツをご紹介します。これがきっかけとなり、愛猫とのコミュニケーションを深める足がかりになれば幸いです。

1.猫が喜ぶご褒美を用意する

覚えさせたい行動を良いことに結び付けさせるためには、猫にとってとても魅力的なご褒美を用意することが大切です。特に新しいことを覚えさせたい時は、猫がお気に入りのとっておきのおやつを用意してください。

ただし、量はほんの少しで構いません。食べ過ぎは肥満の元にもなるため、ご褒美は量よりも質で喜ばせましょう。

2.ご褒美をあげるタイミングを逃さない

自分の行動とご褒美を確実に結び付けさせるためには、ご褒美をあげるタイミングがとても重要です。時間が経ちすぎると、何に対するご褒美なのかが分からなくなるからです。覚えさせたいことをしたら、すぐに褒め言葉とともにご褒美を与えてください。

また、褒め言葉は必ず毎回同じ言葉を使いましょう。いろいろな言葉を使うと、猫には褒められていることが理解しづらくなってしまいます。

3.楽しみながら根気よく繰り返す

猫は、長い時間集中力を持続することが苦手です。飽きてきたのに無理やりトレーニングを続けていると、その行動は嫌なことに結びついてしまい、失敗することになりかねません。

一般的に、猫が集中できる時間の目安は2分程度だといわれていますが、愛猫の様子をよく観察し、飽きてきたらトレーニングをやめて、また翌日繰り返すことが大切です。しっかりと覚えてもらうためには、短いトレーニングを毎日繰り返すことです。

4.先を急がない

とにかく先を急がないことを心がけましょう。一つの芸を覚えたのですぐに次の芸を教えようとか、すぐに難しい芸を教えようなどと先を急ぐと、嬉しいことではなく嫌なこととして学習してしまうリスクが高くなります。

じっくりと時間をかけて、少しずつステップアップしていくようにすることが大切です。

芸を覚えてもらうための基本的な考え方

ある行動が自分にとって嬉しいこと、良いことに結びつくと理解すると、猫はその行動を積極的に行うようになります。逆に、ある行動が自分にとって嫌なこと、怖いことに結びつくと理解してしまうと、猫はその行動を避けるようになります。

この猫の学習回路を理解し、覚えてもらいたい行動をしたときに、猫が喜ぶとっておきのご褒美をベストなタイミングで与えることで、「◯◯をすると良いことがある」と学習させることができ、芸を覚えるだけではなく、しつけなどにも応用できるようになります。

まとめ

褒め言葉のかわりに、クリッカーというトレーニング用の器具を利用することがあります。クリッカーを利用することで、いつでも誰でも、確実に褒めていることを伝えられるというメリットがあり、犬や猫のトレーニングによく使われている器具です。

しかし、専門的な知識のないまま利用すると、猫を怖がらせてしまったり、効果的に使えなかったりすることもあります。とても安価に手に入れられる器具ですが、できれば専門家にトレーニングの仕方やクリッカーの使い方などを教わってから利用する方が良いでしょう。

猫へのトレーニング方法を学ぶことができれば、芸を教えるだけではなく、興奮を鎮めたりしつけを行ったりすることにも役に立ちます。できれば、猫のしつけ教室や行動診療の専門家のいる動物病院などを探して、専門家にトレーニングの仕方を教わることをおすすめします。

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