昇天の炎、夜空焦がす 青森県五所川原市「虫と火まつり」

炎に包まれ昇天していく虫人形と花火の大輪=17日午後7時45分、五所川原市

 五穀豊穣(ほうじょう)や悪疫退散などを祈る「奥津軽虫と火まつり」(五所川原青年会議所主催)が17日、青森県五所川原市の岩木川河川敷で開かれた。4年ぶりの有観客開催で、子どもたちによるたいまつ行列なども再開。クライマックスでは高さ20メートル以上の巨大な虫人形に火を付ける「大虫昇天」が行われ、夜空を焦がす炎を市民ら約2千人が見守った。

 コロナ禍のため、同まつりは過去3年間、関係者による一部実施だけにとどまっていたが、51回目となる今年は、河川敷に限って、たいまつ行列のほか虫人形を載せた山車の運行が復活した。

 午後6時過ぎ、山車や小たいまつを手にした小学生ら参加者約1100人が練り歩くと、会場はにぎやかな雰囲気に。市内の漆川獅子舞保存会など参加団体による演舞や、繁栄を願う「ヤッサー(弥栄(いやさか))」のかけ声に合わせたはやし演奏もまつりを盛り上げた。最後に向かい合った2体の大型虫人形に点火されると、花火とともに大きな炎が立ち上り、昇天していった。

 終了後、同青年会議所の工藤智哉・まつり実行委員長は「河原という限られた範囲だったが、4年ぶりに有観客で開催できた。お客さんが来てくれるか不安だったが、予想以上に集まってくれた。やって良かった」と語った。

© 株式会社東奥日報社