【上海共同】俳優の菊地凛子さん主演の映画「658km、陽子の旅」が17日、中国上海市で開かれている第25回上海国際映画祭で、最優秀映画賞と最優秀脚本賞を受賞した。菊地さんも最優秀主演女優賞を受賞した。中国メディアが報じた。
菊地さんは引きこもって周囲から孤立する42歳の女性を演じた。父の訃報を受けた女性が、東京から青森の実家を目指してヒッチハイクする中で出会う人々との交流を通じて、心を癒やしていく物語を描いた。
監督は熊切和嘉氏。菊地さんは映画「バベル」で2007年の米アカデミー賞助演女優賞候補となり、人気を博した。
熊切監督は16日に上海市で記者会見した。若い頃、一緒に仕事をした菊地さんがその後、世界的な映画俳優になったことを非常に喜ばしく思っていたとし「彼女の日本での代表作を作りたい」という思いだったと明かした。
同席した菊地さんも「精いっぱい、初心に返ってやりきろうという強い思いがあった」と話した。作品について菊地さんは「つらいときに自分を奮い立たせられる、勇気をもらえる作品だと思う」と話した。