農機、相次ぐ値上げ コスト上昇続き 各社5%程度

農機メーカー各社が2023年度、トラクターや田植え機などの値上げを相次いで発表している。値上げは前年度に続き2年連続で、各社の値上げ幅はいずれも5%ほど。既にクボタと井関農機が4月に値上げし、ヤンマーと三菱マヒンドラ農機は7月からの値上げを発表した。原材料価格や物流経費などの上昇が要因だという。

ヤンマーアグリ(岡山市)はトラクターやコンバイン、田植え機、管理機などを約5%値上げする。22年度の値上げ以降も、原材料や物流費などの高騰が続き、「(コスト上昇分を)吸収できない」(営業統括部)としている。

三菱マヒンドラ農機(松江市)もトラクターや田植え機などを5%ほど値上げする。同社も「資材や電気代などのエネルギー価格の高騰が要因」(経営戦略室)とする。小型トラクター「GS」シリーズや、8条植え田植え機は据え置く。

クボタ(大阪市)はトラクターや田植え機、コンバインなどを平均で5%値上げした。資材費の高騰が想定を超え「企業努力だけでは吸収しきれない」(農機国内営業部)という。JA全農と取り組む「共同購入トラクター」の価格は据え置く。井関農機(松山市)もトラクターなど製品全般を約5%上げた。特に「鋼材や原油、ゴムなどの高騰の影響を受けている」(IR・広報室)という。

農水省の農業物価統計によると、20年の価格を100とした指数で、直近の今年4月のトラクターなど「大農具」の指数は104。前月を2・1%、前年同月を3・7%それぞれ上回る。

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