横断歩道での歩行者死傷事故、半数以上が右折車 大分県警が過去10年間調査【大分県】

今年4月に死亡事故が起きた現場。亡くなった男性は横断歩道を歩いて渡っていた=大分市明野北(画像を一部加工しています)

 県警は過去10年間に県内の横断歩道で歩行者が死傷した交通事故の発生状況を調べ、半数以上が右折車からはねられたケースだった。交通企画課は「交差点でドライバーの注意が対向車に向き、歩行者を見落としやすくなっているのではないか」と推測する。

 県警によると、横断歩道上で歩行者が巻き込まれる事故を減らそうと2013~22年の実態を分析した。対象となった事故は1322件。このうち右折車が引き起こしたものは715件で54%を占めた。直進車は387件、左折車が135件。残り85件は転回中や後退中などの車が原因となっていた。

 信号機がある横断歩道の場合、全851件のうち約7割に当たる585件が右折車による事故だった。

 県内では今年、横断歩道上の人身事故が4月末までに30件起き、2人が死亡している。大分市明野北の県道交差点では4月17日、歩いて横断中の男性(79)が右折してきた軽乗用車にはねられ亡くなった。

 交通企画課の田口哲浩次席(50)は「交差点に進入する際は左右前方や歩行者の有無を十分に確認してほしい」と話した。

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