幸運のシンボル「馬の蹄鉄」

「持っているといいことがある」「悪いことから守ってくれる」幸運のシンボル、いくつ思い浮かびますか?
イギリスではクローバー、ハート、6ペンス硬貨、日本ではだるま、招き猫などたくさんありますね。
実は馬の蹄鉄もその一つなんです。
この記事では馬の蹄鉄がなぜ幸運のシンボルになったのか、ご説明します。

「馬の蹄鉄」とはどんなもの?

蹄鉄の役割

人間に飼われている馬は、蹄の裏側にU字型の蹄鉄を付けます。
野生の馬は蹄のままでも平気ですが、家畜になった馬は人を乗せたり荷物を運んだりするために負荷がかかり、蹄が傷んでしまいます。また屋内で飼われていると、水分やアンモニアで蹄が弱くなることがあります。
馬は蹄を傷めると走ったり歩いたりすることができなくなってしまいますので、蹄を守ることは大切な馬、ひいては乗っている人間を守るためには欠かせません。

蹄鉄の歴史

馬が家畜化されたのは紀元前4世紀頃と考えられていますが、蹄鉄を使うようになったのがいつ頃からなのかはっきりと分からないようです。中世以降の記録は残っており、イギリスでは12世紀には鉄製の蹄鉄を使っていることが確認できます。

日本には弥生時代まで馬がいませんでしたが、古墳時代に朝鮮半島を経由して持ち込まれ、5世紀頃には飼育が定着・拡大して日本在来馬の起源となりました。
戦国時代に九州の一部で蹄鉄が使われた記録がありますが、日本在来馬の蹄は丈夫なため普及しませんでした。馬用のわらじ(下の写真参照)などを履かせることはあったようです。
明治に入り、海外の馬や蹄鉄が導入され、特に軍馬では欠かせないものとなりました。

馬わらじ(静岡浅間神社の叶え馬)### 蹄鉄の種類

一般的に蹄鉄は鉄製ですが、競走馬はアルミニウム合金のものを使うことが多いです。
鉄製のものは重いですが丈夫で摩耗しにくく、アルミニウム合金製のものは軽くてスピードを出すためには有利ですが摩耗しやすいという特徴があります。
蹄鉄の交換は、競走馬が2~3週間ごと、乗用馬が1か月~1か月半が目安ですが、蹄の伸び具合や蹄鉄の摩耗状況によって異なります。

馬の蹄に蹄鉄を付けることを「装蹄」といいます。どのように装蹄するか、こちらのページで動画を見ることができます。

蹄鉄が幸運のお守りになったわけ

蹄鉄は主にヨーロッパで魔除けや幸運のお守りとされてきました。その理由はいくつかあるようです。

⚫︎昔、ヨーロッパでは鉄には特別な力があり、悪魔や悪い精霊を追い払ってくれると信じられていました。また、魔女が馬ではなく箒に跨っているのは、鉄でできた蹄鉄を嫌っているためという言い伝えもあります。

⚫︎聖ドゥンスタン(Saint Dunstan、10世紀頃のイングランドの聖職者)と悪魔の伝説があります。聖職者になる以前、聖ドゥンスタンは腕のいい鍛冶職人でした。蹄に蹄鉄をつけてほしいと悪魔に言われ、聖ドゥンスタンは熱い蹄鉄を悪魔の蹄に打ち付けて懲らしめました。悪魔は痛がり、「この蹄鉄を外してくれたらもう二度と来ない。蹄鉄が飾ってある場所には入らない。」と退散。その後、悪魔は約束を守り続けているため、蹄鉄を扉に飾っておけば中に入って来られないと言われています。

⚫︎三日月が邪視(evil eye、悪意を持って相手を睨みつけることにより、呪いをかける魔力)をそらす魔除けの力を持っていると信じられていて、蹄鉄が三日月の形に似ているため魔除けになったという説もあります。

⚫︎日本では「馬は人を踏まない」と言われていることから、交通安全のお守りとして車などに付けることがあります。なお、馬はなるべく物を踏まないようにしますが、避けられない場合は踏んでしまうこともありますのでご注意を。

上向き?下向き?方向によって意味は違う?

蹄鉄の末端部分を上向き、Uの字にすると丸くなった部分で「幸運を受け止める」「幸運が貯まる」と言われています。

逆に、下向きにすると「不運を下に落とす」「下を通る人みんなに幸運が降り注ぐ」と言われています。

国や地域によって意味が異なる場合もありますが、どちらも幸運のシンボルであることには変わりはないようです。写真のように、上下両方の向きで飾れば安心なのかもしれませんね。

蹄鉄モチーフの素敵なグッズを身に付けよう!

家の扉に蹄鉄を飾るのはちょっと難しいかもしれませんが、蹄鉄モチーフのアクセサリーなどには様々なデザインがありますので、きっと「素敵だな」と思うグッズを見つけることができると思います。
蹄鉄が「幸運をもたらす」「災いから守ってくれる」という意味を知った上で身に付けると、気分も上がります。大切な方にプレゼントするときは、蹄鉄がなぜ幸運のお守りなのか、ぜひ教えてあげてくださいね。

こちらのジョッパーズのサイトには、蹄鉄型の車のエンブレムキーホルダーがあります。車にエンブレムを取り付け、蹄鉄モチーフのキーホルダーを使えば、交通安全の御利益はバッチリです。
こちらのフェスタリアのページには蹄鉄モチーフのアクセサリーがまとめられています。シンプルなネックレスやピアスなど、いろいろなシーンで活躍してくれそうですね。
こちらのノーザンホースパークオンラインショップには、アクセサリーやストラップの他、タイピンやボトルホルダーなど馬好きなお父さんへのプレゼントにぴったりなグッズもあります。検索バーに「蹄鉄」と入力してみてください。

まとめ

この記事では、馬の蹄鉄の役割や歴史、幸運のお守りになったわけなどについてご説明しました。

馬の大切な蹄を守るために無くてはならない蹄鉄。
古くから、魔除けや幸運のお守りとしてされてきました。
蹄鉄モチーフの素敵なグッズを身に付けて、幸せをどんどん呼び込んでくださいね!

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