大分県内の全ゴルフ場にドクターヘリの着陸ポイント プレー中の事故、急病に迅速対応【大分県】

ゴルフ場で倒れた急病人の処置をする救急隊員ら=臼杵市吉小野の臼杵カントリークラブ
傷病者をドクターヘリに乗せる訓練をする救急隊員ら
ドクターヘリに着陸ポイントを知らせる臼杵カントリークラブの職員

 【臼杵】県ゴルフ協会や大分救急医学会などは本年度、県内全ゴルフ場のコース上にドクターヘリの着陸ポイントを設定した。ゴルフ場で発生する事故や急病に迅速に対応し、救命率を上げることが目的。13日には臼杵市吉小野の臼杵カントリークラブ(CC)で、初の救急搬送訓練を実施した。

 大分大病院高度救命救急センターなどによると、県内のゴルフ場からの119番通報は2018~22年度の5年間で計202件。場内での事故や急病は重症の場合が多く、心筋梗塞や脳卒中など動かさない方がよいケースもあるという。

 ドクターヘリの着陸ポイント設定は、傷病者の元にいち早く医師が到着する体制を整えたい―と同学会が県消防保安室や同協会などの関係団体に呼びかけた。ポイントは、21ゴルフ場のコース内に3~5カ所ずつ設けた。

 訓練には、臼杵CCの職員や市消防本部の隊員ら約20人が参加した。プレーしていた人が急病で倒れた―との想定で、119番通報からドクターヘリの要請、急病人への接触、ヘリに乗せるまでの手順を確かめた。臼杵CC職員は手旗を振り、着陸ポイントにヘリを誘導した。

 今後、ゴルフ場職員の対応マニュアルを作成して共有する他、希望するゴルフ場で訓練をする。

 大分大病院の坂本照夫病院顧問は「傷病者への早期接触で助けられる命が増えることを期待する。プレーヤーにはもしものとき、その場を動かず119番することを徹底してもらいたい」と話した。

© 有限会社大分合同新聞社