ロシア、米と「緊急の協議」必要 大統領報道官、核軍縮巡り危機感

ロシアのペスコフ大統領報道官(タス=共同)

 ロシアのペスコフ大統領報道官は17日、核兵器の管理など米国とロシアの安全保障を巡る戦略的安定性は「緊急の協議が必要なほど険悪な状態にある」と述べ、強い危機感を表した。ロシアは対話の用意があるとする一方、米ロ関係が悪化した現状では交渉は困難だとの認識も示した。

 ペスコフ氏は北西部サンクトペテルブルクでイズベスチヤ紙のインタビューに応じた。

 また、協議には米国主導の北大西洋条約機構(NATO)に加盟し独自に核兵器も保有する英国とフランスも参加が必要だと述べた。

 ロシアのプーチン大統領は16日、サンクトペテルブルクでの国際経済フォーラムで、同盟国ベラルーシに配備するロシア戦術核兵器の一部を既に搬入したと表明。戦術核保有数ではロシアがNATO側に勝るとの認識を示し、核軍縮交渉に否定的な姿勢を見せた。

 米ロ間の唯一の核軍縮合意である新戦略兵器削減条約(新START)は2026年に期限が切れる。後継条約の締結交渉はロシアのウクライナ侵攻を巡る対立で見通しが立っていない。(共同)

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