休日議会、移住や少子化 茨城県議会常任委員会 傍聴人も意見

保健福祉医療委員会で意見を述べる傍聴者=県議会議事堂の委員会室

茨城県民の政治参加を促し議会を身近に感じてもらおうと、県議会は17日、「休日議会」を開催した。第2回定例会(7~22日)の常任委員会2日目で、6委員会に約210人が参加し「移住促進」や「少子化対策」など茨城県の課題について意見を交わした。

休日議会は県民参画や低投票率が課題の県議会に対する関心を高めようと、2021年11月に都道府県で初めて開催。昨年は一般質問や高校生や大学生との意見交換会などが行われた。

この日は常任委員会として6委員会を開催。県民の参加を広く促すため、初めて臨時の託児所も設けられ、9人が利用した。

総務企画委では、東京都内から大子町へ移住した中村聖さんら3人を参考人に茨城県への移住を議論。コーヒー店を営みながら、建築技術を生かした古家具再生に取り組む中村さんは「地域課題と自分の好きなことを掛け合わせ事業にしている」などと述べた。

委員会では傍聴人からの発言も認め、「地域と移住者のマッチングは課題」「魅力の伝え方が大切」などの意見があった。

保健福祉医療委では産婦人科医や保育士などの参考人が少子化の要因や対策について論じ、傍聴人や委員が意見を述べた。女性の傍聴人が「育児に女も男も関係ないという考えが浸透しないと(男性の)育児休暇の取得につながらない」と指摘し、男性の委員が「男が手伝うのではなく、一緒にやる感覚を持たなければならない」と応じる場面もあった。

「奨学金返済を背負って20代で子どもを持とうと思えない」と発言した常磐大法律行政学科3年の本木大智さん(20)は委員会後、「考えを伝える機会を得られ、いろんな人の意見も聞けて有意義だった。政治への関心が一層高まった」と話した。

石井邦一議長は「今回は参加者にも積極的に発言していただいた。議会をより身近に感じてもらえたのでは」と話した。委員会後は本会議場や議長室などを巡るツアーも行われた。

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