全九州高校大会は17日、各地で17競技が行われ、長崎県勢は柔道の男子団体で長崎日大が県勢として初優勝を飾った。女子団体の長崎明誠も3位と健闘した。
バドミントン男子団体の瓊浦は2年連続7度目の優勝。女子でV2を狙った諫早商は準々決勝で敗れた。ハンドボール男子の瓊浦は準決勝進出。サッカー男子の国見と長崎日大は、そろって1回戦を突破した。
インターハイ北九州地区予選(男女各種目6位、混成は3位、女子ハンマー投げは4位以内がインターハイ確定)に臨んでいる陸上勢は、この日も各種目で活躍。女子七種競技は2年生の井上みさき(長崎日大)が初優勝した。
18日は各地で18競技を実施する。
◎柔道男子・エース宮本 全試合一本でけん引
1951年から数えて73回目の大会に新たな歴史を刻んだ。柔道男子団体で県勢初Vを飾った長崎日大。昨年11月の九州新人大会は3位、3月の全国選手権は初戦敗退だったチームが、悔しさをバネに「九州優勝、全国4強」という目標の一つ目を達成した。松本監督は「一人一人が本当にいい試合をした」と賛辞を惜しまなかった。
準決勝、決勝で大牟田(福岡)、延岡学園(宮崎)の強豪をいずれも1-1の内容勝ちで連破した。立役者は3年生の次鋒宮本。準決勝は九州新人大会個人90キロ級王者を合わせ技で退けると、決勝は自身より一つ上の100キロ超級の選手を相手に、わずか17秒で一本勝ち。大外刈りを意識させた後、虚を突いた大内刈りを決めた。1回戦、準々決勝を含めて全4試合で一本を奪ったエースは「うきうきした。楽しかった」と声を弾ませた。
今大会は松本監督が「とにかく練習から一生懸命」と評しているモンゴル人留学生の1年生ムンフバガナを副将で起用した。「バガナにまだ力がない分、ほかの4人に“自分が何とかしよう”という責任感を持たせたかった」(松本監督)
結果は期待以上。バガナも準決勝は粘って引き分け、決勝は敗れたものの、技ありを取られた後に懸命に攻めた。最後は、そんな後輩の姿を見た2年生の大将木村が宮本の一本を守った。
次は九州王者として臨むインターハイ。宮本の口調が一段と強まった。「練習の雰囲気をもっと上げられるし、もっとみんなでやりあえる。そこを詰めていかないといけない」。二つ目の目標の「全国4強」へ向けて、さらなる成長を誓っていた。