集団がもたらす誤った判断!会社が決定したことがおかしくても反論できないワケとは?【社会心理学】

集団で決定したことは簡単には覆せない!

集団極化や集団的浅慮など、集団での意思決定には、さまざまな問題が発生する可能性があります。では、集団で決定したことが、あとになって間違っていたと判明した場合、これをすぐに撤回することができるでしょうか?

その答えはNOです。なぜなら、一度決めた決定事項は、たとえその結論が間違っていても覆くつがえせなくなる「心理的拘泥現象」が起こるからです。

心理的拘泥現象とは、これまでにかかった労力を無駄にしたくないという気持ちや、自分たちの判断が間違っていたと認めることへの抵抗から、決定した事柄を覆すことができない心理状態のことです。

たとえば、会議の結果、うまくいけば大きな収益が見込めるプロジェクトに対し、毎月1千万円ずつ合計1億円投資することにしたとします。ところが、プロジェクト開始から半年経過しても思ってたほど収益が出ません。

ここで投資を止めるという選択もありますが、そうするとこれまで投資した6千万円をドブに捨てることになってしまいます。しかも、この投資は社長が一番強く賛成していたため、中止することは社長の顔に泥を塗ることにもなりかねません。そんなわけで投資は続行され、見事に1億円を失うハメになるのです。

これは心理的拘泥現象の典型的な例といえますが、こうした誤った集団決定を行わない方法として「悪魔の擁護者」というものがあります。これは、決められたメンバーのひとりが、あえて反対意見を述べるというもので、そうすることで他の人も遠慮なく意見を言えるようになり、より慎重な決定ができるわけです。

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多数派の意見に同調してしまうのはどうして?

日本人はよく多数派に同調しやすい、そんなイメージがあるかもしれません。しかし、この傾向はどんな人にも当て余る普遍性を持ったものなのです。なぜ私たちは多数派の意見に同調しやすいのでしょうか?この同調について、有名な実験があります。

この実験はカード①に描かれた線と同じ長さのものを、カード②に描かれた3本の線の中から選ぶというもので、実験には8人の学生が参加しました。回答はひとりずつ順番に行いますが、実は参加者のうち7人は〝サクラ〞で、あらかじめどの線を答えるかを指定されていました。

明らかに間違った答えでも多数派に同調してしまう

この実験の目的は、多数が間違った回答をした場合、被験者はそれに同調するかを調べることで、被験者は7人のサクラの回答を聞いたあと、8番目に回答します。実験は線の長さを変えながら複数回行われましたが、問題自体はいずれもひとりで回答したときは正解率99%というごく簡単なものでした

ところが、7人全員が誤った回答をした条件下だと、被験者による誤答率は32%にも上りました。普通なら間違えようのない問題でも、全員が別の回答を選ぶと、それに大きく影響されてしまうことが明らかとなったわけです。なお、7人のサクラのうち、必ず正解を答える他者がひとりいた場合、被験者の誤答率は5・5%まで低下しました。

会社の会議などでも全員一致の意見に反対するのは勇気がいりますが、ひとりでも反対者がいれば意見を表明しやすくなります。同調を促うながすには全員一致であることが重要で、ひとりでも自分と同じ意見の人がいると、その圧力は大きく弱まるというわけです。

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学』
監修:亀田達也

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