後継者不足 岡山弁協会が解散へ 14年余り寸劇通じ魅力発信

「岡山弁協会」の総会で解散理由を説明する石田会長(右奥)

 寸劇などを通じて岡山弁の魅力を全国に発信してきた「岡山弁協会」(石田敏之会長)が9月末で解散することになった。18日の総会で決まった。後継者不足などが理由といい、岡山市北区建部町地区を拠点に14年余りにわたって続けてきた活動に幕を下ろす。

 同地区有志が2009年7月に立ち上げ、オリジナル劇などを披露するイベント「岡山弁はええもんじゃ」や、クイズや川柳で方言に親しむ「岡山弁の集い」を毎年開催。前会長の青山融さんは、あさのあつこさん(美作市在住)の小説を映画化した「バッテリー」(2007年公開)や、「釣りバカ日誌18」(同)といった映画のほか、NHK大河ドラマ「いだてん」の方言指導に当たった。

 しかし同協会によると、ピーク時には会員が約120人に上ったが、近年は集まれるメンバーが二十数人に減少。運営に携わる若手も少なく、高齢化が進む一方だったという。

 同地区で開かれた総会で、「リンクアップとっしー」の芸名で知られる石田会長が会員ら約20人を前に「後継者不足と担い手の高齢化で、これ以上活動を続けることは困難」と解散理由を説明。賛成多数で承認した。

 顧問の吉田則夫・岡山大名誉教授(77)は「現代の方言に親しみ、催しとして楽しむ団体は全国的にも貴重で、解散は残念」と惜しんだ。石田会長は「解散しても各自が積極的に岡山弁を使い、魅力を伝えていってもらいたい」と話した。

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