【ベトナム】ビンファスト、販売減で1Q49%減収[車両]

ベトナムの電気自動車(EV)メーカー、ビンファストは米証券取引委員会(SEC)への提出資料で、第1四半期(1~3月)の売上高は前年同期比49%減の1兆9,068億ドン(約8,100万米ドル、115億円)だったと明らかにした。販売価格の低下とガソリンを燃料とする内燃機関車の販売を取りやめたことが大幅な減収につながった。税引き後損失(純損失)は46%増の14兆1,208億ドンだった。

EVと電動バイクが中心の新車販売の売上高は50%減の1兆5,366億ドンだった。前年同期は6,100台あったガソリン車の販売が28台に急減したことが響いた。同社は22年にガソリン車の生産を停止し、EV専業に切り替えた。

これに伴い売上原価は11%減の5兆7,804億ドンに縮小したが、研究開発費が40%増の5兆77億ドンに膨らんだことなどにより、営業赤字は38%増の11兆1,423億ドンに達した。

営業外費用では、有利子負債の増加に伴い金融費用が2兆3,229億ドンと50%増加した。

■7月の米上場目指す、推定時価総額230億ドル

ビンファストは第1四半期の決算などについて、非米国企業が経営統合などを行う場合にSECに提出する届け出書で開示した。同社は5月、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する特別買収目的会社(SPAC)で、香港を拠点に国際投資を手がけるブラック・スペード・アクイジション(BSAQ)と合併を通じて上場する方針を発表した。

届け出書によれば、ビンファストとBSAQは7月20日までに合併を完了することを目標としている。合併時のビンファストの時価総額は約230億米ドルで、米西部カリフォルニア州を拠点とする新興EVメーカーのルシードと同規模となると推定されるという。ルシードは21年にSPACとの合併を通じて上場した。ロイター通信によれば、上場時の時価総額は230億米ドルだったが、足元では約半分の130億米ドルに落ち込んでいる。

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