ワイヤレスイヤホン、駅やバス車内で落とし物が急増 鉄道各社が注意呼びかけ

ワイヤレスイヤホンの忘れ物(相鉄グループ提供)

 近年ワイヤレスイヤホンの普及で、駅構内やホームで落としたり、ベンチやバス車内などに置き忘れたりする事例が急増している。県内の鉄道各社は「電車やバスから降りる際は、手荷物をいま一度確認してほしい」と注意を呼びかけている。

 「ケースごとだったり、中には片方だけ届けられた物も…」。そう話すのは、相鉄グループの担当者だ。

 相模鉄道(横浜市西区)と相鉄バス(同)の2022年度の忘れ物件数の合計は、前年度比11.4%増の6万7610件。忘れ物のトップを占めたのは例年と同様、傘(1万4591本)だったが、ワイヤレスイヤホンなどの音響関連品も1490件あったという。

 担当者によると、現行の集計システムを導入した13年度と比較し、音響関連品は約2.8倍に増加。「一度、線路内に落ちてしまうと、線路の砂利と見分けが付きにくく、さらに電車の振動で奥に沈んでしまうこともある」と指摘する。

 京浜急行電鉄(同区)でも、ワイヤレスイヤホンの拾得件数が増えている。20年度は約1500件だったが、21年度は約3千件、22年度は約4500件と、年々拡大。今年4月には広く利用客へ周知するため、啓発ポスターを作成するなど対策に乗り出した。

 小田急電鉄(東京都)は落とし物の件数を公表していないが、「(ワイヤレスイヤホンなど)電気製品類の落とし物の増加傾向が顕著」という。

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