鎌倉で高校生が防災イベント 岩手・釜石から同世代の語り部を招き 

東日本大震災の経験とその後抱いた思いを語る大瀧さん=17日午後、鎌倉市

 「震災を学び 未来へ繋(つな)げる」をテーマに、高校生らが企画した防災イベントが17日夕、鎌倉市内で催された。東日本大震災の津波の教訓をわがことと捉え、備えを広げていくにはどうしたらいいか。同世代の語り部を岩手県釜石市から招き、いざというときに避難することの大切さをかみしめた。

 「あの日何があったのかを共有し、これから来る災害に備えなければならない」。企画した防災普及学生団体「Genkai」代表の高校3年、橋本玄(はるか)さん(17)=鎌倉市=が呼びかけた。今年3月に横浜市内で行われた交流行事で、岩手県立釜石高校有志の震災継承グループ「夢団」のメンバーと出会い、語り部の言葉に心を動かされた。

 その一人、同高3年の大瀧沙來(さら)さん(18)を今回は鎌倉に招いた。大瀧さんは夢団の副リーダーとして活動を紹介する一方、5歳だった震災当時のことを率直に明かした。「私には震災の記憶が全くない。どこか人ごとで、防災にも興味はなかった」

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