「いば旅」利用126万人 観光チケット 再訪7割使用

「いば旅あんしん割」(公式サイトより)

茨城県の旅行代金を割り引く「いば旅あんしん割」の2022年度の利用者数が延べ約126万人に達したことが18日、県のまとめで分かった。県の独自策として、再訪時に使える「体験観光チケット」は配布の約7割に当たる約7万枚が使用された。県は観光需要で「一定の成果があった」と手応えを強調。インバウンド(訪日客)など国内外の観光需要の取り込みを加速させる方針。

いば旅の利用実績は、宿泊業者や旅行会社などからの報告を基に集計した。いば旅は21年度から始まり、昨年度は新型コロナウイルスのワクチン3回接種や陰性証明の提示が利用条件だった。

このうち、昨年4月~10月10日は茨城県と近隣県の在住者が対象の「県民割」として実施し、約38万人が利用。同11日以降は全国が対象の「全国旅行支援」として、3月末までに約88万人が利用した。年間の交付額は約65億円だった。

国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)や県フラワーパーク(石岡市)、県内の紅葉スポットを訪問した昨秋の観光客の利用が目立った。今年2~3月も「水戸の梅まつり」(水戸市)の来場者が前年比2倍超となるなど観光需要が旺盛で、約30万人が利用した。

いば旅あんしん割は4月以降も継続されており、予算が続く限り、6月30日宿泊分まで利用できる。

体験観光チケットは、茨城県を訪れた宿泊客が再び県内を観光する機会をつくることを狙い、昨年11~12月に1人当たり2千円分を配布した。今年2月までの4カ月間が利用期間だった。配布元のホテル・民宿323施設と、利用施設のアウトドア156施設が参加した。

同チケットは計9万4257枚を配布し、7万851枚が利用された。利用率は75%。交付額は7082万円に上った。主な利用施設はアクアワールド県大洗水族館(大洗町)や日帰り温泉施設、キャンプ場、ゴルフ場だった。

21年の県内観光入り込み客数は約3971万人で、コロナ禍前の19年から4割減だった。22年は1~2割減まで回復する見込み。本年度はゴールデンウイーク期間の県内観光地の入り込み客数が173万5447人で、1日平均で前年を上回るなど、引き続き回復傾向にある。

県観光物産課の谷越敦子課長は「いば旅あんしん割はコロナ禍の厳しい状況下で旅行需要の下支えになった。体験観光チケットは多くのリピーターに楽しんでもらえた。さらに観光需要を取り込んでいく」と話した。

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