尾野弘樹が筑波で初優勝。開幕3連勝を飾る/2023全日本ロード第4戦筑波J-GP3レース総括

 2023年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第4戦筑波大会が6月18日(日)に行われた。昨年よりJ-GP3クラスのみ日曜日に予選・決勝を行うスケジュールとなっており、ポールポジションスタートの尾野弘樹(P.MU 7C GALE SPEED)が背後に迫る大和颯(BREASTO B-TRIBE RACING)を抑え切り開幕3連勝を飾った。

 梅雨の中休みとも言える快晴となった茨城県・筑波サーキットは、厳しい暑さに見舞われた。午前中に行われた公式予選では、尾野が59秒688でポールポジションを獲得。2番手に高杉奈緒子(TEAM NAOKO KTM)が59秒744、3番手に木内尚汰(Team Plusone)が59秒796、4番手に大和が59秒847で続き、トップ4が59秒台を記録していた。

 25周で争われる予定だった決勝は、尾野が好スタートを切ると、これに木内、高杉、大和が続きトップグループを形成。大和は2番手に上がると木内は3番手に続いていたが、高杉が遅れ始める。そして12周目の1コーナーで4番手を走っていた高杉が転倒。赤旗が提示され、残り14周で第2レースが行われることになる。

 2度目のスタートも尾野が絶妙なスタートダッシュを見せレースをリード。大和、木内、若松怜(JAPAN POST HondaDream TP)が続きトップグループを形成するが、木内が1コーナーで痛恨の転倒。再スタートするが大きくポジションを落としてしまう。

 その後、若松も遅れ始め、トップ争いは尾野と大和の一騎打ちとなる。尾野は勝負所をしっかり抑え、そのままトップでチェッカー。開幕3連勝を飾った。大和は2番手でチェッカーを受けるものの黄旗追い越しのペナルティで30秒加算され悔しい19位。若松が2位となり、14歳の池上聖竜(TN45 with MotoUP Racing)が彌榮郡(MARUMAE with Club PARIS)と武中駿(BREASTO B-TRIBE RACING)との三つ巴のバトルを制し3位となった。

2023全日本ロード第4戦筑波J-GP3決勝レース

■尾野弘樹(P.MU 7C GALE SPEED)J-GP3 決勝:優勝
「今回も厳しいレースになると思っていました。タイヤマネジメントとかを考えると赤旗中断がなかった方がよかったのですが、第2レースは、さらにペースが上がることが予想されました。2度目のスタートもうまく決まり、後続を抑えることができたのは、よかったですが、大和選手が常に後ろにいたので、実際のスピードでは2番手だったと思うと悔しいですね。それでも筑波では、今まで勝つことができなかったので、レースキャリア初優勝できたことは、うれしいです」

尾野弘樹(P.MU 7C GALE SPEED)J-GP3 決勝:優勝
尾野弘樹(P.MU 7C GALE SPEED)J-GP3 決勝:優勝

■若松 怜(JAPAN POST HondaDream TP)J-GP3 決勝:2位
「予選まで、なかかなうまくいかず第1レースでもトップグループに離されてしまっていました。赤旗になり“これはチャンスだ!”とチームのみんなも言ってくれて、2度目のスタートを切ったのですが出遅れてしまいました。少し焦りがあったので、落ち着こうと気を取り直して冷静に抜いていくことができ、トップグループに加わることができました。中盤から少し離されてしまい3番手でゴール。結果的に2位になりましたが、応援してくださっている皆さんの前で表彰台に上がることができたのは、よかったと思います。後半戦はさらに上を狙っていきます」

■池上聖竜(TN45 with MotoUP Racing)J-GP3 決勝:3位
「予選でうまくタイムを出すことができず7番手だったこともそうですが、ウォームアップ走行に入るときにエンストしてしまいピットスタートになってしまいました。最後尾から追い上げていったのですが、赤旗になったことはボクにとってはラッキーでした。第2レースでも、追い上げて行くことができたのは、いいマシンを用意してくださったチームのおかげです。繰り上がりで3位になりましたが、次回はしっかり走って表彰台に上がりたいです」

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