ドローンでテグス張り 水稲直播の鳥よけ省力化 大分のメーカー(動画あり)

防鳥テグスを張るドローン。テグスの色は黒が効果的だが、撮影のため目立つ色とした(大分県臼杵市で)

ドローンメーカーのシーアイロボティクス(大分市)は、鳥の侵入を防ぐ防鳥テグスをドローンで設置できる装置を開発した。大分県臼杵市での実証では、20アールの水田に、3人で800メートルのテグスをわずか6分で設置。水稲のたん水直播(ちょくは)で最大の壁となる鳥害を防ぐ。早ければ2024年に発売を予定する。

ドローンはテグスをロールから引き出しながら飛行し、水田の両端で待ち受けた作業者が杭に結び付ける。水面から約1メートルの高さに2メートル間隔で張り巡らす。人があぜを何度も往復する労力が省ける。

同社の農業用ドローンの散布装置を外して付け替えるアタッチメントとして開発。テグスがプロペラに巻き込まれないよう、つり下げたチェーンで糸の動きを抑える。

同社はドローンで、水稲の直播から防除まで行う省力体系を目指す。直播は大幅な省力化ができる一方、鳥害による収量の不安定さが課題だった。

同市で水稲34ヘクタールを栽培し、実証に水田を提供した(株)かぐや姫の渡邉賢典さん(39)は「育苗がない直播は魅力的で、ドローンでテグスが張れるのは面白い。うまくいくなら、来年以降増やしていきたい」と話す。

シーアイロボティクスは今後、梨園で実証する。野菜や果樹など幅広い品目に応用する方針だ。

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