中学生の拉致殺害事件から27年 「風化させぬ」強く誓い 遺族や関係者ら祈り 沖縄・名護

 1996年6月、名護市で下校中だった女子中学生=当時(15)=が、拉致殺害された事件から21日で、27年になる。18日、国頭村内の遺体発見現場に建立された観音像には、女子中学生の父親や青少年育成ボランティア団体「子ども達を守る会・花」や県警職員など約40人が訪れ、像周辺を清掃し、手を合わせた。

 現場は国頭村の県道70号から細い林道を数キロ登った山中で、事件当時、警察だけでなく、市民も一丸となって捜索活動に当たっていた。観音像は、子ども達を守る会・花が寄付を募って建立し、管理している。

 事件当時、捜索活動に当たっていた名護署の安村司警部補(48)は「当時は、各地で検問していて、通る車を全てを止めるような勢いだった。救ってあげられなかったことが本当に心残りだ」と悔しさをにじませた。

 同会会長で、毎年、観音像を訪れる宮里文博さん(73)は「遺族はひとときも忘れることはできない」と話し、「絶対に事件を風化させることはできない。生きている限り続けていく」と強く誓った。

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