好きな人にはたまらない、「カルカッタコンクエスト」現代のバス釣りでは珍しい、「丸型」というアイデンティティはなぜここまで人を惹きつけるのか!? そして2023年に登場した、最新モデル「BFS」の使い心地とは!? 『ルアーマガジン』誌フルカワと福重がインプレでその真相に迫る!
●文:ルアーマガジン編集部
巻きモノが楽しくなること必至! 2023年待望のBFSモデルがすごい!
― 20年以上に及ぶコンクの歴史に革命が起きる!?
現代のバスフィッシングにおいてベイトリールのデザインは、ロープロファイルが圧倒的に優勢といえる。理由は簡単で、コンパクトで握りやすく、重心を下げられるので疲れにくいからだ。しかしそれでも硬派に進化・開発が続けられている丸形リールこそが、シマノのカルカッタコンクエストシリーズだ。
その歴史は古く、2000年まで遡る。最初のカルカッタコンクエストは、それ以前より展開されていた「カルカッタ」と呼ばれる丸型リールをモデルチェンジ&ハイグレード化した形で登場。その完成されたデザインと、剛性感、巻心地は、あっという間に多くのアングラーの心を鷲掴みにしており、翌年に登場した番手違いが揃うことでその人気は盤石なものとなっている。その後、2003年、2004年にモデルチェンジとDC搭載モデルがリリースされ、以降もゆっくりではるものの、定期的モデルチェンジがなされているのである。
今回紹介するBFSモデルの前身は、2017年にリリースされている「カルカッタコンクエストBFS」当時も大きな話題となっているが、今回のBFSはさらにすごいのだという。その詳細を左ページでお伝えしよう。
カルカッタコンクエストBFS(シマノ)
― 死角なきベイトリールがついに完成!
およそ5年ぶりのモデルチェンジを果たすベイトフィネス対応のカルカッタコンクエスト。丸型リールのもつビジュアルや剛性感、巻心地を維持しつつ、快適なブレーキ設定や巻取りスピード、パーミング性が向上しており、より実戦的なベイトフィネス対応モデルに仕上がっている。
Q1:そもそも丸型リールってなにがすごいの?
― A:安定感と巻心地
テコの原理で安定させられる
古川「ロッドを安定させるためにもあの高さが役に立ちます。ルアーの引き抵抗に対して、高い位置からロッドをホールドできるから、テコの原理で安定させやすいんです。それからコンクエストに限っていえば初代から巻心地もトルクも極上ですよ」
Q2:「カルカッタ」? 「コンクエスト」?
― A:シマノが誇る伝統の丸型リール
2000年に初登場! その歴史はもうすぐ四半世紀に!
福重「初代の『カルカッタコンクエスト』は2000年に登場しています。それ以前には、丸型リールで『カルカッタ』というものがありました。番手違いや、2003年初登場のDC搭載モデル、2017年のBFSといったバリエーショも豊富です」
Q3:サイズ感が小さくなったの?
― A:歴代最小クラスで登場!
コンパクトボディ×小径スプールの組み合わせ!
古川「初代コンクエストBFSは、スプール径の大きな2014年モデルがベース。23コンクBFSは小さなボディの21コンクに径の小さなスプールが組み合わさっていて、ボディサイズとスプール系の組み合わせがこれまでにない最小サイズになっています!」
Q4:ブレーキはアルデバランBFSと同じなの?
― A:より幅広いブレーキセッティングが可能に!
フィネスチューンブレーキがブラッシュアップ!
古川「どちらもフィネスチューンブレーキで、外部ダイヤルで調整のできるマグネット式です。ただコンクBFSには少し変更があって、限りなくゼロに近い設定と、より精度の高いブレーキのかかり具合を調整できるようになっていますね」
Q5:巻取りスピードは遅くない?
― A:ロープロファイルリール並みの巻スピードを実現!
古川「HGならハンドル1回転71cm、XGならハンドル1回転81cmも巻ける設定になっています。ロープロファイルリールと遜色ないレベルですよね。そのため巻きモノはもちろんいわゆるベイトフィネス的にも使えなくはないですね」
Q6:実際の使用感を教えて!
― A:【キャストフィール】意図した距離を精密に飛ばせる!
福重「あそこに投げたい! と思って竿を振って、スプールが回転してラインが放出される。この思考と動作と実際に起こる事象のブレがものすごい少ない印象でした。直感的に投げられるっていうんですかね。感動的でした」
― A:【巻き心地】巻きモノが楽しくなる極上のリーリング
福重「聞いてはいましたが、まさかここまでとは……と驚くぐらいに極上の巻心地でした。クランク投げる人の多くがカルカッタコンクエストを使うのにも納得です。ずっと投げて巻いてを繰り返していたくなりますね~」
― A:【ブレーキ】逆風でもキャストが決まる絶妙な設定が可能!
福重「もともとマグネットブレーキ系のリールが好きなのもありますが、使いやすいブレーキでした。高浮力ルアーほど安定してブレーキを効かせたいわけですが、逆風条件でも安定して鋭いキャストができましたよ!」
Q7:重そうなイメージがあるんだけど……
― A:むしろその重みを活かしたい
福重「Q1にもあるように、このサイズ感だったり重みって、丸型リールの強みにもなっています。単純に用途を考慮して、どうしても軽いベイトフィネスリールを使いたいならアルデバランBFSを使えばいいと思いますよ!」
Q8:どんな釣り(ルアー)に向いてる?
― A:プラッギングが好きなら必須レベル!?
トップやクランクが楽しそう!
福重「正確なキャストをものすごく決めやすいリールなので、ピンスポットにガンガンいれたいトップウォーターの釣りにはぜひとも使いたい感じでした! それから丸型リールらしい使い方としてはやっぱりクランクですよね!」
Q9:正直、買いですか?
― A:買いでしょ!
福重は張り切ってカルカッタコンクエストBFSを巻き続けるのだが、なぜか釣れず。見かねた編集長にバトンタッチすると、あっという間にキャッチ! これはコンクBFSを買って修行だな……。
インプレしたロッド
― ロードランナー HB511LL(ノリーズ)
曲がって投げる気持ちよさよ!
コンクBFSに合わせるならやっぱコレっしょ! ということで選ばれたのがロードランナーHB511LL。ロードランナーらしいよく曲がるロッドで、軽めのプラグを投げるならこれ以上ないのでは? とすら思えてしまう完成度だ。
インプレしたフィールド
― BRGD POND
言わずと知れたアパレルブランド『バスブリゲードジャパン』がプロデュースする群馬県前橋市にあるブラックバスの管理釣り場。
豊富な湧き水による安定した水質と、ライブベイトを主体としたエサやりで、まるでネイティブフィールドのような釣りが楽しめる。
今回のインプレ担当
― 古川和弘(ふるかわ・かずひろ)
本誌編集長。田辺哲男さんを心の師匠と呼ぶストロングフィッシャーマン。そのためカルカッタシリーズへの造詣も深く、今回のインプレでもずっとクランクを巻いていた。
― 福重智宏(ふくしげ・ともひろ)
本誌編集部員。巻きモノ好きを自称するが、プライベートの釣りではスピニングばかりを握るフィネス派。カルカッタシリーズにはほとんど触らずに過ごしてきた丸型リール初心者。
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