同性婚訴訟福岡原告が控訴 違憲状態「不当な点も」

同性婚を巡る訴訟で控訴するため、福岡高裁に向かう原告の(前列左から)まさひろさん、こうすけさん、こうぞうさん、ゆうたさん=19日午後

 同性同士の結婚を認めない民法などの規定は憲法違反だとして、福岡市と熊本市の同性カップル3組が国に損害賠償を求めた訴訟で、原告側は19日、「違憲状態」と指摘し請求を退けた福岡地裁判決は、幸福追求権を保障した憲法13条違反を認めないなど「不当な部分がある」として、福岡高裁に控訴した。同種訴訟が起こされた5地裁の判決に対し全て原告側が控訴した。

 福岡市で記者会見した弁護団共同代表の森あい弁護士は「判決後も国が主導的に解決する兆しがない」と非難。原告で福岡市の会社員まさひろさん(35)は「制度ができれば理解が進むと信じる。声を出し続ける」と話した。

 8日の福岡地裁判決は、同性愛者が婚姻できないのは憲法24条2項に違反する状態にあり「個人の尊厳に照らして到底看過できない」として立法措置を促す一方、違憲状態の解消にも多様な選択肢があり、国会の対応に委ねることは不合理ではないとした。「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」とした24条1項や、法の下の平等を定めた14条の違反だとする主張は退けた。

© 一般社団法人共同通信社