デビュー30年ココリコ遠藤「今の若手は器用」 SNSなどでの芸人の主義主張には「人それぞれ」

著書「吾輩はアホである」(ヨシモトブックス)が発売中のお笑いコンビ・ココリコの遠藤章造(51)がこのほど、大阪市内でよろず~ニュースの取材に応じた。幼少期から現在まで全54本のエピソードが掲載された初のエッセー本。「縁、タイミング、感謝がテーマ」と語る遠藤が、大物芸人に愛される理由、若手芸人に対する思いなどについて語った。

著書をPRするココリコ遠藤章造

1992年に小中学時代の同級生・田中直樹とのコンビでデビューしてから30年以上。あこがれだったダウンタウン、とんねるずをはじめ、タモリ、明石家さんま、島田紳助さん、志村けんさんらから、得たものは大きいという。「具体的に『遠藤、こうだから』とかアドバイスされたことはないですけど、たぶんこう思っているんだろうだなと」と自分なりに消化して、芸能界での生き方を身につけてきた。

多くの大物芸人と公私にわたり交流している。「本当に好きなんです!と相手に出すというか、アピールするからですかね。本当に好きだと自然と言葉があふれ出てくる」と愛される理由を挙げる。「以前に(島田)紳助さんがおっしゃっていましてたけど『どんな女性からでも〝好き〟と言われたら嫌いにならない』と。それと一緒でかわいいヤツと思われたからかも」と続けた。

著書をPRするココリコ遠藤章造

既にベテランの域。若手芸人はめちゃくちゃ器用だと感じるという。「30年前の実力で今のお笑い界に入っていたら、到底出てこられなかった。タイミングが良かった」。お笑いを目指す人間が格段に増えた。高学歴も多い。誰もが芸人にあこがれる時代でもあり、競争は激しくなった。

デビューした当時はお笑いの道で売れることしか考えられず、芸人が副業をすると〝よごれ〟と言われていた。だが、現在でそんな声を聞くことはない。「今は逆でどんなことでもできる。(お笑いに)とらわれずに挑戦しやすい世の中だと思いますし、どんどんやったらいい」と若手にエールを送った。

テレビの情報番組でコメントしたり、SNSで発信したりと、あらゆる事象に意見、主義主張を言う芸人が多くなった。物議を醸すこともある。「僕もやらせていだたいたことはありますけど。同じコメンテーターでも仕事で(割り切って)やっている人、持論を言って世の中を変えたい人も多分、いるだろうし。人それぞれだから、別に、とか思います」と関心は薄い。

著書をPRするココリコ遠藤章造

一般以上に芸能人に対する世間の見る目が厳しくなった。「僕がこの世界に入ったきっかけは、人より楽したい、お金を稼ぎたい、モテたい。ちやほやされたい、だけでしたから。ちゃんとできないから、方法はないかと芸能界を選んだのですけど、今は芸能人、芸人もちゃんとしないといけませんからね。でも、時代に合わさないと」。時代の変化を肌で感じている。

現在はテレビだけでなく、YouTubeでコント中心のコンビでのチャンネルや、趣味のゴルフに特化した個人チャンネルでの活動も行っている。「理想はテレビに出していただきながら、若い人たちにネットやSNSで引っかかるようなような事ができれば。ウケなくても、それはそれでいいですし、自分が動いていること自体が楽しいですから」。面白さ、楽しさを追求しながら、マイペースでお笑い芸人を続けていく。

著書をPRするココリコ遠藤章造

(よろず~ニュース・中江 寿)

© 株式会社神戸新聞社