コーヒーソーダがこれまで定着しなかった理由 UCCコーヒーアカデミー専任講師が語る

UCCコーヒーアカデミー専任講師で2014年ジャパンハンドドリップチャンピオンの土井克朗氏は14日、メディアに向けコーヒーセミナーで暮らしを豊かにする提案の1つとしてコーヒーソーダを紹介した。

コーヒーソーダは、コーヒーに炭酸水を加えたアレンジドリンク。海外では「エスプレッソトニック」と称しエスプレッソコーヒーにトニックウォーターを混ぜ合わせた飲み方が定着している。

日本でもメニュー化や商品化の動きはあったものの、定着化には至らず認知が低いままになっている。

その理由について、土井氏は味覚とヨーロッパやアメリカとの食文化の違いの2つを挙げる。

「過去のコーヒーソーダはコーヒーそのものの品質が低く、焙煎が強く苦味の強いコーヒーが一般的であったため味わいが強すぎたとし、食文化については「ヨーロッパではコーヒー料理でガス入りの水(炭酸水)が飲まれるが、日本ではそのような料理の楽しみ方がまだまだ浸透していない」と指摘する。

このような状況から、スペシャリティコーヒーが市民権を得るようになるなどコーヒーの品質向上や多様化に伴い、コーヒーソーダが脚光を浴びつつある。

コーヒーソーダづくりに好適なものとして「DRIP POD(ドリップポッド)」(右)を紹介するUCCコーヒーアカデミー専任講師でジャパンハンドドリップチャンピオンの土井克朗氏

今後の可能性について「まず、昔に比べて健康志向が強くなったことで広がっていく可能性がある。次にコーヒーのそのものの品質が向上し、嗜好の多様化により酸味のあるコーヒーも当たり前の時代になり、受け入れやすくなってきている」との見方を示す。

セミナーでは、コーヒーマシン「DRIP POD(ドリップポッド)」を活用したコーヒーソーダのつくり方を実演。混ぜ合わせる炭酸水にも強炭酸から微炭酸、天然水由来のものなど複数の種類があることに触れ、アレンジも多彩にできることを紹介した。

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