候補生、小銃「単発」モード設定 陸自などが訓練状況捜査

89式5.56ミリ小銃(陸自ホームページより)

 岐阜市の陸上自衛隊射撃場で隊員3人が撃たれた小銃発射事件で、自衛官候補生の男(18)は、「89式5.56ミリ小銃」を弾が1発ずつ出る「単発」モードの設定で発射したとみられることが20日、防衛省関係者への取材で分かった。

 3人のうち2人は1発ずつ、もう1人は2度にわたり1発ずつ撃たれたとされる。89式小銃には、1分あたり最大約850発の速度で弾が出る「連発」のモードもある。入隊から間もない候補生が、この設定で1発ずつ発射するのは困難という。陸自中部方面警務隊と岐阜県警は、実際に使われた銃を分析するとともに、男の訓練状況を調べている。

 防衛省関係者によると、単発と連発の設定は、手元で切り替えられる構造になっている。連発の設定でも1発ずつ発射することはできるが、素早く引き金を戻す必要があり、訓練を重ねる必要があるという。男は事件当日が5回目の射撃訓練で、このうち実弾を使うのは4回目だった。

 事件は14日午前に発生。男は射撃訓練の開始直後、3人に向けて撃ち、取り押さえられる際にも小銃を発射した。

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