日鉄ケミカル&マテリアル 鹿島製造所、24年度に休止

日本製鉄グループ傘下の化学メーカー、日鉄ケミカル&マテリアル(東京)は19日までに、コールケミカル事業部鹿島製造所(茨城県鹿嶋市光)を2024年度末をめどに休止すると発表した。日本製鉄東日本製鉄所鹿島地区(同)の設備休止などに伴い、コールタールの蒸留能力が過剰になることから、最適な生産体制でコスト競争力を強化する狙い。影響を受ける従業員約40人の雇用は維持する方針。

同製造所は1985年1月、住金化工鹿島事業所として操業開始。日本製鉄から供給されるコールタールを原料に、半導体製造装置用特殊炭素材、日本製鉄向けコークス炉用粘結材などを製造販売している。コールタール蒸留能力は年間約18万トンで、売上高は約110億円(23年3月期)。休止後は、九州製造所(北九州市)へ製造を移管するほか、一部の化学品の製造を中止する。

日本製鉄は21年3月、将来の経営ビジョンを示す中長期経営計画で「国内製鉄事業の再構築」を掲げ、国内高炉を15基から10基へ減らす方針を示した。鹿島地区は2基のうち1基が24年度末に休止する予定。

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