NEDO、「次世代全固体蓄電池材料の評価・基盤技術開発」始動

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)は、全固体リチウムイオン電池(LIB)の早期実用化に向け、「次世代全固体蓄電池材料の評価・基盤技術開発」を始動した。

同事業は、自動車・蓄電池・材料メーカーなどの33法人が組合員として参画する技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)を代表機関に、大学・公的研究機関16法人が連携・協調して実施する。

固体電解質を用いた全固体LIBは、電池パックの安全・冷却系の簡素化による体積エネルギー密度の向上、急速充電の実現などが見込める次世代の高性能蓄電池だ。「先進・革新蓄電池材料評価技術開発(第1期)」(2013年度~2017年度)では、液系LIB用材料とともに、全固体LIBの基軸材料となる硫化物系固体電解質などの特性評価に適用するラボレベルの標準電池モデルのプロトタイプを開発した。さらに、同第2期(2018年度~2022年度)では、液系LIBと同様の製法技術を用いた硫化物系全固体LIBの標準電池モデルを開発し材料評価の基礎的基盤を構築するとともに、一般的な液系LIBに迫るエネルギー密度(450Wh/L)を中型セルサイズで実証している。

今回始動した事業の目的は、硫化物系固体電解質を用いた全固体LIBの性能向上とそれに必要な蓄電池材料の開発促進だ。2023年度~2027年度に実施し、産業界の協調領域としての材料評価技術の開発を軸とした研究開発基盤を構築していくという。なお、NEDOは、同事業での成果を展開することで、蓄電池・蓄電池素材産業の競争力強化と、全固体LIBおよびその材料の開発を促進すると述べている。

研究開発基盤構築を推進する
開発サイクル
(イメージ図)

(出典:NEDO Webサイトより)

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