住宅応急修理の申請始まる 茨城・取手 住民「日常まだ遠い」

応急修理費補助の受け付けが始まり、申請に訪れた住民(左)=取手市役所藤代庁舎

台風2号や梅雨前線の影響による大雨で約600棟が浸水被害を受けた茨城県取手市で、災害救助法に基づく住宅応急修理費補助の申請受け付けが19日、市役所藤代庁舎で始まった。罹災(りさい)証明書で準半壊以上と認定された住宅が対象で、市によると、初日は6件の申請があった。

同法では、応急修理費の補助は被災住宅で生活を続けるため最低限必要な修理の一部費用について、国や県が負担する。市が修理費を業者に直接支払い、限度額を超えた部分は自己負担となる。

市によると、同市で対象になるのは、19日現在で中規模半壊が37件、半壊が287件の計324件。申請には、罹災証明書や修理見積書、資力に関する申し出書、被害状況が分かる写真などが必要となる。

この日は受け付け開始の午前9時前から住民が窓口を訪れ、市職員に被災状況などを説明した。修理見積書の取得について相談に訪れるケースもあった。

受け付けを済ませた会社員の永山貴子さん(47)は「修理は補助の範囲内で収まりそうだが、同居の父が高齢なので心配。まだ日常生活は遠いが、早く取り戻したい」と話した。

関谷博之さん(37)、美代さん(32)夫妻は、自宅が床上40センチの浸水被害。この日は相談のため来庁し、「元通りになるのはまだ想像できない。不安を減らし、3人の子どもたちをケアできるようにしたい」と願いを込めた。

同法に基づき修理費の一部が補助されるのは、外観や室内の床、壁の破損、台所、浴室、給湯器の故障など。床下浸水や店舗、借家は含まない。補助額は半壊以上で上限約70万円、準半壊で上限約34万円。申請に期限は設けていないが12月1日までに修理の完了が必要なため、市は早めの申請を呼びかけている。

藤代庁舎での受け付けは7月2日まで。午前9時~午後5時(土日含む)。同3日以降は取手庁舎の安全安心対策課。問い合わせは同課(電)0297(74)2141。

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