【聞かせて】 No.816「蔵重 宏昭さん・玄済寺30世住職」

 黄龍山玄済寺(山口市吉敷)の30世住職に就き、5月3日に同寺で就任披露の晋山式が行われた。「皆さんのお陰で無事に儀式を終えることができた」と感謝する。

 高校卒業後は進学のため上京し、その後は福岡、広島、神奈川などにある曹洞宗門関係の機関で奉仕してきた。2022年、玄済寺住職就任に伴い36年ぶりに帰山。「これまで各地で学んできたことを、ふるさとに還元するつもり。精進研さんを続けたい」と意気込む。

 同寺は、毛利秀包(ひでかね)が開基した吉敷毛利家の菩提寺。数年前に吉敷毛利家最後の当主が亡くなり、代々伝えられてきた宝物の保管も依頼されたという。現在、山口市歴史民俗資料館によって調査・研究中で「吉敷毛利家の史実解明につながれば」と話す。

 弓道は3段の腕前で、調理師免許も持つ。座右の銘は、誰にでも心を尽くす「親念切々」。

【プロフィル】1967年12月、山口市吉敷にある玄済寺に29世住職・恵昭和尚の長男として生まれる。55歳。山口高、駒澤大仏教学部卒。2012年から10年間、曹洞宗・大本山総持寺(神奈川県)で出版室長などを務め、2022年2月に玄済寺住職に就いた。

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