現場にトラックのブレーキ痕なし 運行会社の資料押収、北海道事故

トラックとバスが衝突した事故現場を調べる捜査員ら=19日、北海道八雲町

 北海道八雲町の国道でトラックが都市間高速バスに衝突し、5人が死亡した事故で、事故現場にトラックのブレーキ痕がなかったことが20日、道警への取材で分かった。道警は、トラック側に過失があったとみて自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで捜査。トラックを運行していた養豚会社への家宅捜索で押収した資料を解析し、運行管理に問題がなかったかも調べている。

 現場は片側1車線で、トラックから見ると緩やかな左カーブ。道警は19日、立体写真を撮影できるステレオカメラなどで路面の状況を確認した。トラックがブレーキをかけた痕跡はなく、スピードを出したまま、反対車線のバスに突っ込んだ疑いが濃厚となった。

 道警は19日にトラックを運行していた「日本クリーンファーム」(青森県おいらせ町)の道南事業所(八雲町)を家宅捜索していた。

 同社によると、トラックの梶谷誠運転手(65)=死亡=は長年配送業務に従事。事故当日は午前6時半ごろから勤務し、車両点検も行っていたという。

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