angela 20周年で凱旋 観客熱狂の渦に 10月も岡山公演

デビュー20周年を記念した岡山凱旋ライブ=5月20日、岡山市民会館

 「岡山市民会館のステージに立つことを夢見て上京した。こんな日がくるなんて信じられない」。岡山市出身の男女2人組音楽ユニットangela(アンジェラ)が5月、デビュー20周年を迎えた。アニメソング界で活躍するボーカルのatsuko(48)とギターのKATSU(49)。5月下旬、岡山市内で2日間の凱旋(がいせん)ライブを開き、観客を熱狂の渦に巻き込んだ。

 <空を仰ぎ 星よ満ちて 飛び立つの 明日への brilliant road>―。ライブ初日の5月20日。atsukoの力強い歌声とKATSUのエレキギターから放たれる切れのある音色が重なり、市民会館の熱気は最高潮に達した。

 新型コロナウイルス禍以降、初めて声出しを解禁し、歓声に満ちた大ホールをペンライトが彩る。ステージ上のatsukoは「つらいこともあったけど、周りの人に恵まれてここにたどり着いた」と涙ぐんだ。

 翌日は、atsukoの地元である岡山市東区西大寺地区の西大寺公民館で行われた。それぞれ約1650人、約700人が訪れ、チケットは完売となった。

 別々に東京に出た2人が1993年に結成したangela。10年を経て2003年にアニメソング「明日へのbrilliant road」でデビューし、「蒼穹(そうきゅう)のファフナー」「シドニアの騎士」など人気アニメの主題歌を生み出してきた。

 作詞作曲する作品は、時にパワフル、時にコミカルと多彩だ。「まずは原作やシナリオを読んで、主人公の思いを想像する。自分たちと重ね合わせ、応援するような気持ちで書いています」とatsuko。KATSUも「アニメは(映像や音楽が合わさった)総合芸術。大切なのはangelaの名前を売ることじゃないんです」と話す。

 多忙を極めた06年にatsukoが体調不良で一時休養するも、復帰後は精力的に活動。日本武道館に立ち、台湾、香港、シンガポールなど海外公演も行う。

 11枚目となるニューアルバムを制作し、10~12月に全国6都市でのツアーを計画。10月29日には岡山市立市民文化ホールで公演を予定し「また『ただいま』って言えるのがうれしい」と2人。その先も岡山でのアニソンフェス開催や、さいたまスーパーアリーナでのライブと、新たな目標に向かって突き進む。

「岡山にはもう帰らない覚悟で上京したけど、ようやく胸を張って帰ってこられた」と話すatsuko(左)とKATSU

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