中之又地区活性化へ 木城町、専門家が現地調査

専門家らと意見交換する中之又地区の長友敏博さん(右から2人目)と中武春男さん(右端)

 木城町は一般財団法人地域総合整備財団(ふるさと財団、東京)の事業を活用し、中之又地区の再生に取り組む。同財団の食と観光の専門家2人が16日までの1泊2日、同地区を含む町内を調査した結果を踏まえ、交流人口増加に向けた方向性を提言する。
 同地区は山間部にあり、六つの集落が点在する。松尾鉱山や炭焼きで活気づいた1950年代は800人超が暮らしていたといわれるが、今年4月1日現在、27世帯36人。うち28人が65歳以上の高齢者だ。
 町は国指定重要無形民俗文化財「米良の神楽」に含まれる中之又神楽と、地場産品のこんにゃくを生かし交流人口を増やせないかと、同財団の地域再生マネージャー事業(外部専門家短期派遣)を活用。専門家として食の商品開発などを手がける会社代表の平尾由希さん(44)と旅行大手JTBの中川晶子さん(41)、同財団の末宗徹郎理事長ら計6人が訪れた。
 同地区のこんにゃく生産現場や同神楽が奉納される中之又鎮守神社を訪問。同神社では同神楽保存会会長の長友敏博さん(64)、同神社宮司の中武春男さん(69)と意見交換した。長友さんは「舞い手だけでなく、祭りを運営する裏方まで含めた継承が課題」と現状を説明。専門家らは「神楽の練習とこんにゃく作りなどの体験を組み合わせてはどうか」と意見を述べた。
 専門家2人は今月30日、オンラインで町に提言。町は来年度も同財団の事業を活用し具体的な取り組みを進めたい考え。

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