岐阜市の陸上自衛隊射撃場で男性隊員3人が自動小銃で撃たれた事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された自衛官候補生の男(18)が事件直後、「弾薬を奪おうと思った」と説明していたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。殺人容疑で送検された後は取り調べに応じておらず、陸自中部方面警務隊などは事件の経緯や動機を慎重に調べている。
男が、制止しようとして最初に撃たれ死亡した八代航佑3等陸曹(25)について、以前から知っており「殺すつもりはなかった」と供述していたことも新たに判明。男にとって八代3曹の行動は想定外だったとみられる。
事件は21日で発生から1週間。
捜査関係者によると、死亡した菊松安親1等陸曹(52)と重傷の3等陸曹(25)は候補生らに弾を渡す「弾薬係」で、男は菊松1曹を狙ったとみられている。一方、八代3曹は射撃前に候補生の服装などをチェックする「交代係」で、男とは別グループの担当だったが、男は逮捕後、八代3曹の氏名や役割、性格などを説明したという。