JR東海は6月18日、静岡県沼津市を舞台にした人気アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』とコラボした臨時急行列車「ラブライブ!サンシャイン!!」号を運行しました。
【写真を見る】チケットは1分足らずで完売!JR東海が本気を出した『ラブライブ!サンシャイン!!』号 “ファンの想い”乗せて沼津へ
この列車は、JR東海が『ラブライブ!サンシャイン!!』とタイアップし、3月25日から開催している「ラブライブ!サンシャイン!!沼津ゲキ推しキャンペーン!」の企画の一環として、東海道線の浜松駅から沼津駅まで運行したものです。
当初は午前9時台に浜松駅を出発する6両編成の列車1本のみの予定でしたが、事前に案内していた購入方法のうち、一部の予約方法で購入ができないトラブルがあり、午前10時台に追加運行が決まりました。
10時打ちでもチケット取れず…高倍率のチケット争奪戦
列車は特急「ふじかわ」や静岡県内を走るホームライナーなどに使われている373系電車で運行され、2本の列車合わせた乗車定員は450人です。
いずれの列車も急行券・指定席券は発売から1分も経たずに売り切れとなり、多くのファンが涙を飲みました。いわゆる“10時打ち”と呼ばれる方法で購入を試みようと、みどりの窓口に足を運んだものの、きっぷが手に入らなかったという声も多く聞かれました。
ファンであふれかえった沼津駅3・4番線ホーム
こうしたこともあってか、沼津駅のホームには『ラブライブ!サンシャイン!!』号を一目見ようというファンが詰めかけ、1本目の列車到着後に300人の乗客が下車すると、3・4番線ホームはさらににぎやかな状態となりました。
列車が回送に入ると一部で拍手が巻き起こり、中には「ありがとう!」と声を張り上げるファンもいました。
ファンも満足⁉豊富な装飾に「Aqours」メンバーによる車内放送
運よくチケットを手にできた乗客を車内で待っていたのは、描き下ろしイラスト等を使った装飾やオリジナル座席背もたれカバーなどでした。
特にファンをうならせたのが、「Aqours」メンバーによる車内放送です。もちろん事前収録ではありますが、列車内の注意事項や駅での乗り換え案内などで、メンバー9人全員が登場しました。
また、乗客には記念乗車証が配付され、背もたれカバーも各自持ち帰ることができるなど、特別な時間を列車内で過ごすだけでなく、貴重な“お土産”も手にすることができました。乗客からは、趣向を凝らした演出に満足したという声が多く聞かれました。
「JR東海さん、こういうイベントやってくれそうもなかったんで」
<乗客>
「やっぱり車内の装飾がすごかった。あと車内放送とか録音もして。特別な放送だったんで、どこどこ線はお乗り換えですとか、そういう様な放送とか」
<乗客>
「今までJR東海さん、こういうイベントなかなかやってくれそうもなかったんで。去年ぐらいからすごく変わっちゃって、ゆるゆるに見えてきました。どんどんやってほしいって感じです!」
また、アニメファンなどの間では、比較的“保守的”と捉えられてきたJR東海が、こうしたアニメとコラボした列車を手掛けることへの驚き、そして今後への期待の声も聞かれました。
「ファンの集まる場所を提供できてよかった」
実は、JR東海と『ラブライブ!サンシャイン‼』とのコラボの仕掛け人の1人、JR東海の出川ゆかりさんも『ラブライブ!サンシャイン‼』号に乗って沼津市に入っていました。
<JR東海営業本部需要創出グループ 出川ゆかりさん>
「みなさんの交流がすごく盛んだなと思って見ていて、グッズで交流したりとか、『ツイッター見てます』といった形で会話されている方を見て、集まる場所をご提供できたというとおこがましいですけど、そういう場所をつくることができてよかったなって思いました」
出川さんは、乗客だけでなく、沿線や駅などでもたくさん人が写真を撮っていて、ファンの熱量を感じられてうれしかったと話していました。
アニメゆかりの地をめぐる「さわやかウォーキング」には3,300人が参加
今回の『ラブライブ!サンシャイン!!』号は、この日、沼津市で行われたアニメゆかりの地をめぐる「さわやかウォーキング」の開催に合わせて運行されたもので、アニメとタイアップした異色の「さわやかウォーキング」には3,300人が参加、沼津のまちは朝から若者で賑わいました。
JR東海と『ラブライブ!サンシャイン!!』のコラボは、8月末まで展開されることとなっていて、臨時急行の運行でJR東海の“本気”を目の当たりにしたファンたちは、今後の展開にも期待を膨らませています。