【ブラジル日本移民115周年記念特集】地方理事との連携を密に=ブラジル日本文化福祉協会会長 石川レナト

石川レナト

 ブラジル日本移民115周年における貴紙ブラジル日報「移民の日特別号」の発行にあたり、まずは今日のブラジル日系社会の繁栄を築かれた先人の御苦労を偲び、開拓先没者の御霊に対し衷心からの哀悼の誠と感謝の意を表したいと存じます。
 皆様ご存知の通り、昨年はブラジル独立200周年という記念の年でありました。それを祝賀することに加えて、我々の先人を受け入れ、ここに根を張ることを容認してくれたブラジルに対する謝意を表する意味で、9月4日に日系6団体(文協、援協、県連、商議所、日文連、ACAL)が一体となり、リベルダーデ大通りにて祝賀パレードを開催しました。
 当日、日系19団体1400人からなる行進に、ブラジル側からはサンパウロ州軍警騎馬隊と陸軍音楽隊も加わり、結果的に州や市当局の全面的な協力を得ての開催となりました。これは、我々日系社会が確実にブラジル国との良好な関係を築いている証ともいえます。
 これも全て、先人が言い知れぬご苦労と共に撒いた「誠実」や「勤勉」という種が、115年という年月を経た現在に結実したのだと言っても過言ではございません。本日この移民の日において、先人の御霊に心からの感謝とともに、この成果を報告させて頂きたいと思います。
 さて、その強固な友好関係は、単にブラジル国に限った事ではなく、祖国日本との関係においても変わりはありません。その理由として、本年1月1日に行われたルーラ新大統領就任式に出席するため、日本国を代表し伯国を訪れた小渕優子特派大使は昨年12月29日に、また、ヴィエイラ伯国外務大臣との会談のために来伯された林芳正日本国外務大臣は1月8日に、それぞれ大変お忙しい日程の合間を縫ってブラジル日系社会をご訪問下さいました。
 我々は心をこめて歓迎式典および交流食事会を開催し、歓迎と感謝の気持ちを表すとともに、両国を祖国とするブラジル日系人という立場において成すことのできる無限の可能性により、今後益々の日伯友好関係強化に尽力することをお伝えしました。
 そして、先人が築き上げて下さったブラジル日系社会の益々の発展のために、今後も引き続き、次世代を担う若い世代がリーダー意識をもって活躍できる場を提供し、更に強固なものとして、弊会の30名からなる地方理事との連携を密にすることでブラジル全土の日系団体の関係強化を図りたいと考えております。
 そして何より、皆様と共に、「今後の我々ブラジル日系社会のビジョン」を明確化させる必要があると考えています。そのためにも、引き続きご支援ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 最後になりましたが、日系社会の皆様、ブラジル日報をご愛読の皆様のご健勝を祈念し、ブラジル日本移民115周年記念における私の挨拶とさせて頂きます。

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