6月は蚊の発生防止強化月間!蚊が媒介する感染症とその予防法をチェック

夏と聞くと何を思い浮かべますか?
花火、お祭りなど楽しい行事が盛りだくさんですが、夏に向けて暑くなると悩まされるのが「蚊」ではないでしょうか。

東京都では、蚊が本格的に発生する前の6月1日から6月30日までを「蚊の発生防止強化月間」と定め、啓発キャンペーンを実施しています。
実は、「蚊」はかゆくなるだけではなく、感染症リスクもあります。
夏本番前に「蚊」の発生防止に努め、楽しい夏を迎えるようにしましょう!

蚊が媒介する感染症とは?

蚊が媒介する感染症とは、ウイルスや原虫などの病原体を持った蚊が、我々人間を吸血することで感染することによります。
感染症には、ウエストナイル熱、黄熱、ジカウイルス感染症(ジカ熱)、チクングニア熱、デング熱、日本脳炎、マラリアなどがあります。
東京都感染症情報センターによると、本稿執筆時点で東京都には蚊媒介感染症ハイリスク地点とされる場所はありませんが、念のための対策は必要です。
蚊に刺されないようにする対策を行いましょう。

日本国内には「ヒトスジシマカ」という蚊が広く分布しており、この蚊に刺されるとデング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症などの感染症にかかる可能性があります。
マラリアは、ハマダラカという蚊に媒介されますが、この蚊は日本の人口密集地にはいないので、国内での感染拡大の可能性は低いです。
また、日本脳炎はワクチンで予防できます。
ウエストナイル熱は発症者の血中ウイルス量が少なく、蚊だけで感染が広がらないので、国内での感染拡大の可能性も低いです。

感染症の特徴

デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症については、発熱、関節痛・筋肉痛、頭痛、発疹が出るほか、後眼窩痛、結膜充血、リンパ節腫脹、白血球・血小板減少などがみられます。
また、ジカウイルス感染症は妊婦が感染すると小頭症などの先天性障害をもった子どもが生まれることや、デング熱では出血を伴うデング出血熱となり重症化することがあります。
ただし、すべての人に症状が出るわけではありません。
症状が軽かったり、発症しても気づかない人もいるとされています。

感染症の予防方法をチェック!

当たり前のことですが、蚊が媒介する感染症から身を守るには、蚊に刺されないことが大切です。
特に、海外など感染症が多い地域に行く場合は、肌を隠して、虫よけ剤を塗るなどの対策をしっかりと行ってください。
また、国内でも感染の可能性があるので、日常的に蚊に注意することも必要です。
蚊に刺されないためには、次のようなことに注意してください。

・ ドアや窓を開けるときは、網戸などで蚊の侵入を防ぐ
・ 肌を出さないようにする(長袖や長ズボン、靴下などを着用)
・ 明るい色の服を着る
・ 虫よけスプレーや蚊取り線香などを使う(幼児や乳児に虫よけスプレーを使う場合は、医師にご相談ください)

そして、何よりも大切なのは蚊の発生源を減らすことです。
日本国内に広く分布している「ヒトスジシマカ」という蚊は、水たまりで卵を産みます。
自宅や自宅の近くに下記のようなものがあったら、チェックして水が溜まっていたら捨てることを心がけてみてください。

・ 屋外に放置された缶やペットボトル、ビン
・ 植木鉢の受け皿
・ ビニールシート(ブルーシート)の凹み
・ 詰まった排水溝 など

その他にも国立感染症研究所のサイトでは下記のような図で分かりやすく説明しています。

正しい知識をもって蚊の発生防止に努めましょう!

これから本格的に暑くなる季節となります。
毎年、蚊に悩まされる方も多いのではないでしょうか。
6月は梅雨の時期になりますので、水たまりが多くできると思います。
まずはお家のベランダや庭、職場など水たまりができる場所はないか、また家や職場の近くで水たまりができそうな場所はないかなど、ちょっと意識するだけで、蚊の発生源を減らすことができます。
「たかが蚊に刺され」だと軽視せず、ぜひ、快適な夏を過ごせるようにしていきましょう!

<参考>
・ 東京都感染症情報センター「蚊媒介感染症ハイリスク地点」
・ 東京都感染症情報センター「蚊媒介感染症」
・ 厚生労働省「蚊媒介感染症」
・ 東京都福祉保健局「感染症媒介蚊対策について」

記事監修:中森チカ(株式会社ドクタートラスト 保健師)

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