【バレーボール】攻守で流れをつくり見事ストレート勝利/春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 第9戦vs東京学芸大

フルセットでの敗戦から一夜、選手は悔しさを胸にこの試合を迎えた。両チームあとがないなかで試合は拮抗(きっこう)するも、慶大は序盤から攻撃力の強さを生かし相手に一歩リードする。また同時にブロックも決まることで流れは確実に慶大がつかんだ。途中デュースを制すと、勢いそのままに見事ストレート勝ちを飾った。

2023年5月14日(日)

春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第9戦 慶大×東京学芸大

得点
慶大	セット	東京学芸大
25	1	22
29	2	27
25	3	23
出場選手(サーブ順)
ポジション	背番号	名前(学部学年・出身校)
OH	1	芳賀祐介(環3・札幌北)
MB	8	島田航希(経4・慶應)
OP	3	山口快人(経1・慶應)
OH	6	松本喜輝(環4・九州産業)
OP	2	大槻晟己(総4・清風)
S	10	渡邊大昭(商3・慶應)
L	7	山元康生(法2・慶應)
途中出場

島田らのブロックが相手を止める

第1セット、松本喜輝(環4・九州産業)のBクイックや山口快人(経1・慶應)の三枚ブロックを抜くスパイク、渡邊大昭(商3・慶應)のストレートなど出だし好調の慶大。その後も島田航希(経4・慶應)と芳賀祐介(環3・札幌北)の2枚ブロックが相手のスパイクを止め流れを掴む。17―14の場面では山元(法2・慶應)の完璧なサーブレシーブから両サイドとセンターをおとりに、松本喜輝がバックアタックという時差攻撃で圧倒。またセット中盤からは芳賀祐介が4本の速攻を決めるなどし、学芸大の高い打点からのスパイクや強烈なサーブを凌ぎ、25―22で第1セットを手に入れた。

松本のブロックが流れを止める

第2セット、山口のフェイントで先制に先行する。慶大は持ち味の攻撃力を生かしその後は松本・渡邊を中心に点を重ねていく。島田がディグやブロック・スパイクと攻守の両方で活躍し、また芳賀のスパイクも決まるも6―6と拮抗(きっこう)した展開に。7―7の場面では島田が一枚で相手のスパイクを止めることに成功。ボールはそのまま相手コートに落ち、本人も「ブロックするとすごい流れとかチームが盛り上がる」と語る。続いて松本もブロックを決めて慶大が先に二ケタ台にのせるとここで相手のタイムアウト。セット後半、1点を追いかける展開が続くもここで島田のサービスエース。もう1点を相手のミスで得て、大きな2点をつかんだ慶大はその後はリードを保つ。ただ負けられない状況は相手も同じで試合はデュースにもつれこんだ。しかしここでも一歩上回ったのが慶大。攻撃力に加えて最後は松本の一枚ブロックで守備力の高さも見せつけ、大事なこのセットを死守した。

全員でボールを紡いだ

第3セット、迎えた最終セット。相手のスパイクがアウトになり貴重な1点目を獲得するも、サーブミスや相手のスパイクが決まり3点を連続して失う。しかし、その後山口のサーブが決まり4―4と同点に追いつくと、山元・島田が続いて見事なディグを見せて繋ぎ、渡邉の強烈なスパイクで点を取りついに1点リードする。その後取っては取られての接戦が続き、20―17の場面。相手のスパイクが決まったり、山口のスパイクをブロックで阻まれたりと3点連続の失点を喫し、ついに同点。そこから山元が好レシーブを見せて繋ぎ、渡邊がスパイクを決め、一旦はリードするも相手の冷静なプレーが続き、リードを許してしまう。21―22で慶大のタイムアウトを挟むと松本がスパイクを決め同点に追いつき、渡邊のブロックが決まり、再び慶大がリード。最後は松本の強烈なサーブが接戦の終止符を打ち、試合終了。25―23で勝利した。

(取材:上村真子、佐々木愛子、妻井安那、五関優太)

以下、コメント

星谷健太朗監督

――今日の試合を振り返って

まずはやっぱりこのバレーボールできるところ自体は当たり前じゃないなっていう中で、いつもやってる中で、今日もやれたことは素晴らしいなと思いますし、感謝したいなと思います。で昨日の試合で、あの、フルセットで、惜しくも負けてしまってかなりダメージが大きかった中で、後がないところで迎えた試合でしたけれども、しっかり切り替えて、回復させて挑んで、結果、ストレートで勝利することができてよかったなと思います。

――勝因は

今言ったようにコンディションをまずしっかりと自分たちが戦えるように整えたというのと、対策についてアナリストを中心にしっかり分析をして用意をしてきたことということと、試合中についてはどんな点数であれ目の前のプレーに対して集中力を切らさなかったという3点が勝因だと思います。

――第2セット、特にキーとなるセットだと思いますが粘りきれた要因は

繰り返しにはなるんですけれども、苦しい場面というのは、やっぱり向こうが良いサーブを打って苦しいときだと思うのですが、要は攻撃がうまくいかないときに集中力を切らさずに、うまくいかなかったとしても次のワンプレーに、結果に集中したということと、うまく決められないってことはブロックのフォローはしないとブロックに阻まれるわけで、簡単なブロックフォローじゃなかったとしても、必死に体当てて繋いで落とさなかったいうのが、最後の最後に効いてたかなと思います。

――最も相手に通用したと思うプレーは

攻撃は今のチームの大きな強みなので、それは今日も十分通用してた部分がたくさんあったんじゃないかなと思います。

――次戦に向けて

もう本当にあとがない中で結果に思いがいきがちですけれども、そこではなくやっぱりまずはバレーボールができるに感謝をして、目の前のところにどれだけ楽しみながらできるかだと思うので、そこを、1人1人がということもそうですし、それを結集させてチーム全体としてさらにつながりを持って、万全の状態で相手に立ち向かっていきたいなと思います。

島田航希主将(経4・慶應)

――今日の試合、振り返って

3セットでストレート勝利だったのですが点数は競ってジュースとかにもつれこんで、結構精神的にも疲れるし、集中力維持するのも大変でした。ただ最後そういうとこで競り勝てた、集中切らさずにできた勝利は大きいと思います。

――昨日の試合から切り替えるために、チームに何か声をかけたりはしましたか。

特にしてないのですが、チームが明るくなるような行動とかというのは意識していました。

――ご自身のサーブについてはいかがでしたか

この2日昨日も今日も、(特に)今日は良かったのですが、ミスなく、ときにはエース取ったり、相手崩したりと場面が多かったのですごい良かったと思います。

――試合中チームが勢いに乗れたという感触はありましたか

はい、あります。終盤にこっちのブロックとかが決まったりした場面があったので、そういうブロックするとすごい流れとかチームが盛り上がるなという印象がありました。

――次戦に向けて

来週、記念館のホームゲームですごい大事な試合があと2試合です。勝たなければいけないのですが、今日みたいに雰囲気よくこっちの流れを乗れるようなプレーをして、応援に来てくれる人も結構いると思うので、ホームゲームでそういう方々に感謝して勝ちたいと思います。

渡邊大昭選手(商3・慶應)

――今日の試合を振り返って

みんな分かっていたと思うのですが、今日が勝負の日だということで、入替戦がかかった大事な試合だったのですが、やっぱり試合前から全員が雰囲気が良くて、ほんとに全員の心が一つになって勝ちたいという思いが結果につながったかなと思いました。

――第二セット目は大事な場面でしたが、意識したことは?

(大事な)場面とかいろいろあると思うのですが、よく、自分の先輩が言っていたのはやってきたことをやるしかない、練習でできないことはできないので、練習でやってきたことをしっかりやろうと考えて、競った場面でああしなきゃこうしなきゃじゃなくて、ああできるこうできるって、前向きに考えるように、ネガティブじゃなくて、前向きに考えるようになったのが去年と違った点かなと思います。

――今日の試合もサーブやスパイクを決める場面が多くありましたが、ご自身で一番印象に残ったポイントはどの場面でしたか?

自分のプレーじゃないのですが、やっぱり、2セット目の最後に松本さんのブロックで取った場面は、ラリーで繋いで全員で拾って最終的に松本さんが止めるという場面だったので、あそこで全員が一つになったしベンチもスタッフ陣も含めてすごくいい顔してたなと思います。

――次戦に向けて

厳しい戦いが続いてくると思うのですが、1週間しっかり対策して最後に勝って終われるように笑顔で頑張っていきたいと思います!

芳賀祐介選手(環3・札幌北)

――今日の試合を振り返って

今、一勝同士ということで、先週あたりから学芸大学との勝負が入れ替え戦に行くのか左右する大事なゲームであるのを分かっていたので、それに集中して皆んなで練習できたかと思うので、勝つことができて嬉しいです。

――速攻やスパイクが多く決まりましたが、他の試合に比べて工夫したことであったり、意識してプレーしたことはありますか。

そうですね。先週の早稲田・明治や昨日の順天堂との試合で調子が悪いと言いますか、何度も何度も決まらなくなってきて、思い切った助走や素振りができなく、悪循環になっていたことを試合を見返して気づきました。今日は思いっきり入って、トスを待つような気持ちで入ろうと思って心がけて、いい結果が出たのだと感じています。

――技術的な面で次戦までに準備しておきたいことや特に練習しておきたいこととかはありますか?

どんどん来週も日大や駒澤大との勝ちたい試合がありますが、気持ちが前に出れば出るほどネットとの距離が詰まりすぎて、素振りができなくなるのが自分の特徴なので、先週はそれが原因で悪循環に陥ってしまいました。気持ちはもちろん大事なんですけど、冷静にスペースを作って高いところで落とすことを意識する。この一週間で練習して準備していきたいです。

――次戦に向けて

来週はまた勝負になるというのはチーム全員頑張っているので、そこに向けて出てる人だけでなく全員で試合と練習を作って優勝できればと思います。

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