食品と飲み物、片手で運べるバッグ開発 大分市の平井さんが実用新案を取得【大分県】

ittebagを開発した平井順子さん(左)とサポートする植木ルミ子さん
広げるとランチョンマットになるittebag

 【大分】大分市松岡で弁当店を営む平井順子さん(55)が、食品と飲み物を片手で運べる持ち帰り用の紙製バッグを開発し、実用新案を取得した。名称は「ittebag(イッテバッグ)」。新型コロナウイルスの5類移行に伴い、レジャーを楽しむ人が増え、テイクアウト需要はまだまだ伸びると予想する。「野外コンサートにスポーツ観戦、ピクニック…さまざまな場面に連れてイッテ」

 バッグは組み立て式(縦横約20センチ、高さ約30センチ)。下段に弁当やパン、上段に紙コップが収まる。バッグを広げればランチョンマットの代わりに。利用する飲食店などの要望に合わせ、素材やサイズの変更にも応じる。

 宮崎県延岡市出身。大分市内で就職し、結婚。幼稚園教諭や調理師として働いた。2017年、料理の腕を生かして弁当店「green frog(グリーンフロッグ)」を自宅に開いた。

 新型コロナの影響で20年からは予約のみの営業に。時間に余裕ができ、新しい挑戦がしたい、客に喜んでもらいたいという思いが募った。考えついたのがイッテバッグだった。

 画用紙に絵を描き、切ったり折ったり。「ひらめきとときめきを形にしたい」と試作を重ねて1年半。図面やロゴマークは次男の友人の建築デザイナーが制作。INPIT県知財総合支援窓口、県デザイン協会にも助言をもらった。

 ソフトウエア開発や企業支援を手がける東京都の「VXV(ヴィ・クロス・ヴィジョン)」CSO(最高戦略責任者)の植木ルミ子さん=同市在住=もサポート。バッグに貼ったステッカーにスマートフォンをかざすと、使い方や企業の広告などの動画が見られるサービスを提供する予定だ。

 「多くの人の協力で完成にたどり着いた。人生の新しい一歩を踏み出せた」と平井さん。自慢の味をバッグに詰めて販売しようと、市内にカフェを開く計画を長女と進めている。

 問い合わせはグリーンフロッグ(greenfrog.hello@gmail.com)。

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