原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の第1段階となる文献調査を巡り、対馬市議会は20日、市内計11団体が提出した賛成や反対などの請願8件について、特別委員会を設置し、審査を付託することを決めた。調査受け入れを求めていた対馬真珠養殖漁協は同日、請願書を取り下げた。
請願は市商工会が市議会での議論を求める内容。建設4団体は連名で調査受け入れを求めている。反対の請願は上対馬町漁協や美津島町西海漁協、市民団体などの計6件。対馬真珠養殖漁協は19日の総会で組合員からの反対が多かったとして取り下げた。
特別委の名称は「請願審査特別委員会」。議長を除く全議員18人で構成し、委員長には船越洋一市議が就いた。船越氏は報道陣に「対馬を二分するような大きな問題。請願を提出した人の思いをよく聞き、議論を進めたい」と話した。
審査開始は定例会閉会後の7月以降の見通し。船越氏は特別委での審査の様子を、市のケーブルテレビで中継したい意向も示した。
文献調査は3段階ある選定調査の第1段階。期間は2年程度で、調査実施中は北海道寿都町と神恵内村のの2自治体。
対馬市議会 核ごみ巡り特別委設置 真珠養殖漁協は調査受け入れ求める請願取り下げ 長崎県
- Published
- 2023/06/21 10:30 (JST)
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