若手刑務官に支援不十分、改善を 名古屋刑務所暴行問題で提言

斎藤法相(左)に提言書を手渡す法務省の第三者委座長の永井敏雄元大阪高裁長官=21日午前、法務省

 名古屋刑務所(愛知県みよし市)で刑務官22人が受刑者3人に暴行・暴言を繰り返した問題で、法務省の第三者委員会(座長・永井敏雄元大阪高裁長官)は21日、再発防止策をまとめた提言書を斎藤健法相に提出した。22人の大半が若手で支援が不十分だったとして、遠隔でサポートできる装着式カメラの導入を提唱。「希薄な人権意識」を改めるため、受刑者の差別的な呼び方を禁止するほか、名字呼び捨ての見直し検討も求めた。

 提言は、他の施設でも不適切な言動が確認されており、全国的な改善の取り組みが必要だとした。斎藤氏は「踏み込んだ提言をもらった。実行に移していく」と述べた。

 法務省によると、提言は、2022年8月の問題発覚当時、22人中17人が採用3年以内の20代で「孤独に職務を遂行する状況に陥っていた」と分析。発覚後、名古屋刑務所などで既にカメラを取り入れているが、記録だけで通信機能がないものが多い。音声や映像を中継可能なカメラを装着させることで、問題が起きた時、別室の監督者らに対応方法を即時相談できるようにする。

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