SBG孫氏「手元に現金5兆円」 AI革命で反転攻勢へ

ソフトバンクグループの定時株主総会で発言する孫正義会長兼社長=21日午前、東京都千代田区

 投資事業の悪化で巨額赤字に陥ったソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は21日、東京都内で開いた定時株主総会で「手元に5兆円を超える現金があり、これから反転攻勢に移る」と述べた。グループの経営トップとして約半年ぶりに表舞台に立ち、人工知能(AI)革命を軸に投資戦略を再び積極化する方針を表明した。

 SBGはコロナ禍以降、AI関連技術などを持つ投資先企業の株価が下落。2023年3月期連結決算の純損益は9701億円の赤字となった。孫氏は「過去3年間、守り(の経営)に徹した」と、新規や追加の投資を抑制してきたと説明した。

 「AI革命が爆発的に起きている」として、AI関連を引き続き投資分野の中心に据える意向を示した。自身も、文章を自動作成できる生成AIの「チャットGPT」を「毎日使っている」と明かし、「現在は人間が地球上で最も優れた知性を持つが、10年以内に(AIに)一気に追い抜かれる」と見通した。

 自身の去就と後継者を巡っては「引退したくない。後継のことはもうちょっと先だ」とした。

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